ネットでの議論はなぜ物別れに終わるのか?(世界平和の作り方)

 

...ネットでの議論はなぜ物別れに終わるのか?(世界平和の作り方)


こんにちは。
イングリッシュ・ドクターの西澤ロイです。
 
今日は英語ではないお話を。
 
ブログやFacebookのコメント欄。
Twitterのリプライ。
ネットの掲示板やメーリングリスト。
・・・etc。
 
いろんなところで「議論」を目にします。
 
でも、そういう議論って、
「物別れ」で終わってしまうことが多いと
思いませんか?
 
そして、お互いの仲も悪くなってしまって……
 
実はここに、
自分の人生をより良くし、人間関係もよくし、
世界が平和になるための大きなヒントが
隠されています。

 
ただし、それを「お互い」がきちんと
意識する必要があります。
 
そのポイントについて、
お伝えしたいと思います。
 
***
 
議論がうまく行かない理由。
それは「目的」がずれてしまっているからです。
 
そして特に議論がうまく行かない原因は
「正義感」
だと僕は分析しています。
 
(※もちろん議論を「勝ち負け」で捉えたら
同じことですが、それは自明なので省略)
 
正義感。
 
違う言い方をするなら、
「何かについて正しい」
と思う信念・こだわりです。

 
逆に言うと、他人の発言内容に対して
「間違っている」
と思う信念・こだわりです。
 
そう、「自分は正しい」と思うことが
平和な話し合いをぶち壊してしまうのです。
 
ここが重要なポイントであり、
盲点になりやすいのが、
 
「正しさ」にこだわってしまうと、
無意識のうちに「主張」モードに
切り替わってしまう、ということです。

 
喩えるならば・・・
正義のヒーローは、相手を悪だと決めつけます。
そして、自分の正しさを主張して、
相手をやっつけようとするのと同じです。
 
健全な議論をしたい時に、どちらか一方が
「正義感」を持ってしまうと、
絶対にうまく行きません。
 
***
 
僕もイングリッシュ・ドクターとしていろいろと
発信していますので時々、英語のコンテンツに対して
「そうじゃないんじゃないか」
「間違っている!」
というコメントが来ます。
 
ここで大事なのは、そのコメントをする人が
「ただ“主張をしたい”」のか、
それとも
「“理解を深めたい”」のかです。

 
ただ(自分の正義)主張をしたいだけ
の人も多いです。
そうすると、お互いに分かり合うことなんて
できませんよね。
 
そうすると、こっちは「分かり合いたい」
「理解を深めたい」などと思っていても、
伝えたことはスルーされ、議論にならないのです。
 
そして、お互いに「こいつとは分かり合えない」
という勘違いが生まれてしまいやすいのです。
 
本当は、単に「目的」がずれているだけなのに。
 
いや、そもそも「英語を頑張らないでいい」なんて
「西澤ロイはお金儲けのために言ってやがる」
などというひどい偏見を持たれてたりもしますが……(涙)
 
***
 
僕がオススメしたいのは、
「相手が見ている/感じているものを理解すること」
「お互いに、互いの理解&物事の理解を深めること」
という目的を持つことです。

 
自分だけが100%正しいことなど
ありません。
 
そもそも、絶対的な正しさなどありません。
正しさは全て、相対的なものなのです。
 
お互いに正しい。
 
そのことをまず前提としないと
健全な議論はできません。
(+「目的の一致」が欠かせません)
 
その上で、謙虚に「理解」を深めようとする
ことが大事だと思うんです。
 
そもそもの発言は、どこが正しくて
どこが間違っている(と思う)のか?
 
本当にそうなのか?(ホントに間違い?)
また、なぜそのように言って/書いているのか?

 
何かを言われた側もそうです。
 
なぜ相手がそのように言っているのか?
相手からの指摘は妥当なのか、
それとも当てはまらない(と思う)のか?

 
お互いが相手のことを尊重しながら、
理解を深めることを目的として、
指摘には真摯に向き合う。
 
そういう姿勢で議論ができたら
この世界は確実に平和に向かいますよ。
 
P.S.
なお、そういうことを面倒くさいと
思うならば、最初から関わらない
(間違っていると思っても無視する)
のがベストだと私は思います。
 
間違っても、
「それってこうじゃないの?」
「それは違う! なぜなら・・・」
などと書き込むのはお勧めしません。
 
一方的に自分の正しさだけを主張する
(↑そのつもりはなくても、そういうことになります)
のは、スマートではないですし、
(相手だけでなく、周りで見ている人との)
人間関係が悪くなってしまいますよ。
 
今のは余計なお世話かもしれませんが、
まあ少なくとも、僕のところには
変な「主張」を書き込まないでいただけると
有り難いです^^
(スルーもしくは削除という対応を
させていただきます)
 
僕は「分かり合いたい」ですし、
「理解を深めたい」ですから。
 
P.S.2
あとありがちなのは、発言(や行動)
を元に「人間性」を決めつけること。

 
その奥にある真意や原因
(勘違いやトラウマがあることも多いです)
をおもんぱかることが大切ですよ。
 
そもそもね、人は「自分が攻撃された」
と思った瞬間に、無意識に「防御」モード
(人によっては「反撃」モード)
に切り替わりますよ。
 
そうしたら「戦い」が始まってますので
「平和」はとっくに「ない」ことになりますから。
 
そして、戦っているモードの時の1つの発言を
取り上げて、人間性を決めつけたり・・・
 
ああ、めんどくさい。
もうやめませんか?
 
P.S.3
ちなみに、論理的なディスカッションの
テクニックを学んだ人は、
相手の論理性の穴をついてきます。
 
そして、受けた質問に真面目に向き合って
回答する代わりに
「お前の言っていることは論理的じゃないから」
とスルーします。
 
また、相手の主張の信憑性自体を叩いて
来たりもします。
 
そういうことをする人は、
もはや勝ち負けや正義感で動いている
可能性が大です。
 
それでは「世界平和」は実現できませんので
相手にしない方がいいかもしれません。
 
・・・だから個人的には、欧米式の
議論のやり方は非常に苦手です…
 
「相互理解」ではなく、
「正義」と「勝ち負け」の世界に
なりやすいですからね。
 
P.S.4
この記事を読むと、おそらく
いろいろと「言いたいこと」が
出てくるでしょう。
 
「分かる~」「なるほど」と言ってもらえれば
嬉しいですが、中には
「そこは、そうじゃないだろう」
と思う人もたくさんいるでしょう。
 
でもそれを、単なる「主張」で終わらせるか、
それとも「自分の理解」「他人の理解」
「相互理解」「この世の中の理解」に
つなげられるかは、読んだ本人の
選択になりますよね。
 
こんな文章で100%正確に、
全員に分かるように伝えるなんて
(できるだけの努力はしましたが)
どだい無理ですから。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。