大坂なおみ選手のネイティブ英語に学ぼう(全米オープン表彰式インタビュー&スクリプト)

 

...大坂なおみ選手のネイティブ英語に学ぼう(全米オープン表彰式インタビュー&スクリプト)


大坂なおみ選手の英語力とは?

こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
大坂なおみ選手が、全米オープンでSerena Williams選手を
破って見事に優勝しましたね。
 
日本人選手がスポーツの世界大会で優勝したりすると、
英語でのインタビューが行なわれますから、
英語がどれだけ話せるのかが気になるところです。
 
例えば、錦織圭選手であれば14歳から渡米して
いますので、かなり流暢に英語は操ります。
錦織圭選手の英語力に関する解説記事はこちら
 
大坂なおみ選手の場合には、英語はネイティブです。
 
お父さんは(ハイチ系の)アメリカ人であり、
お母さんの出身地は北海道の根室。
(↑私は旭川なので個人的にポイント高いですw)
 
生まれこそ大阪ですが、3歳のころにアメリカに
移住しているため、母国語は英語なんですね。
 
ですから、英語学習の題材としてぜひ
大坂なおみ選手の英語をお聴きください。
 

大坂なおみ選手の英語インタビュー(全米オープン表彰式)


 
2019年全豪オープン優勝時の英語スピーチの記事はこちら。

大坂なおみ選手の英語インタビュースクリプト(文字起こし)

以下にインタビューの文字起こしを
掲載しておきますね。
 
――How does the reality compared with the dream?
(セリーナ・ウィリアムズと決勝で戦いたいという夢は、現実と比較してどうでしたか?)
 
Naomi: I’m gonna sort of differ from your question. I’m sorry.
(ちょっと質問とは違うことを答えます。ごめんなさい)
 
――No problem.
(問題ないですよ)
 
Naomi: I know that everyone was cheering for her.
(みんながセリーナの応援をしていることは知っていました)
 
I’m sorry it had to end like this.
(こういう結果になってしまってsorryに感じます)
 
I just wanna say thank you for watching the match. Thank you.
(言いたいことは、試合を見てくれてありがとうございました)

――After match point, you made your way over to your box and you had an embrace, a long embrace with your mom.
(マッチポイントを取った後、お母さんの元に行き、しっかりと抱き合いました)
 
――What did the two of you share?
(お母さんとはどんな話をしましたか?)
 
Naomi: Well, she sacrificed a lot for me.
(母はたくさんのものを私に捧げてくれています)
 
And it means a lot for her to come and watch my matches because she doesn’t normally do that anyways, so…
(私の試合を見たというのは大きなことで、だって普段はしないので…)
 
Always missing is my dad, but he doesn’t like physically watch my matches. He walks around so I’ll see him later.
(父はいつもいません。私の試合を物理的に見るのが好きじゃないみたいで、すぐにどこかへ行ってしまうので、後で見つけます)
 
――The first Japanese player, male or female, from your country in history to win a Grand Slam final.
(男女を含め、日本人初のグランドスラム制覇となりました)
 
――I know it just happened, Naomi, and it’s still sinking in, but what does it mean to you?
(まだ起こったばかりで、実感がないかもしれませんが、どんな意味を感じていますか?)
 
Naomi: It was always my dream to play Serena in the US Open finals.
(セリーナと全米オープンの決勝戦で戦うことがずっと夢でした)
 
So I’m really glad that I was able to do that, and I’m really grateful I was able to play with you, thank you.
(それができたことが本当に嬉しいですし、<セリーナに向けて>あなたと試合ができて嬉しいです。ありがとうございました)
 

 

大坂なおみ選手の英語から学べるポイント

動詞differの使い方

最初に、大坂なおみ選手は、司会者からされた質問
とは違う答えをしました。
 
「質問とは違うことを答えます」
というのを、あなただったら英語でパッと言えますか?
 
ここで、大坂なおみ選手は
I’m gonna (sort of) differ from your question.
と言っているんです。
 
differは「異なる」という意味の動詞ですが、
人(自分)を主語にして使えるんですね。
 

「できた」をcouldと言ってはいけない

これは日本人が間違いやすいところなのですが
「できる」がcanだから「できた」はcould
と思ってしまいやすい
んです。
 
しかし、実際にはcanは「可能性がある」であり、
couldは「可能性があった」という意味だと
思っておいた方が安全
です。
 
(仮定法的な感じになってしまい、
「しようと思えばできた(けどしなかった)」
という意味になってしまうケースが多いのです)
 
「できた」と言いたい場合には、単純に
過去形を使ってもいいですし、もしくは
be able to
を使うんです。
 
大坂なおみ選手も「セリーナと決勝で戦うことが
できた」というのを
I was able to play…
のように言っていますよね。
 

P.S.
I’m sorry の箇所が謝罪なのかどうかについては
別の記事に譲りたいと思います。
 
↓↓↓
 
大坂なおみ選手のI’m sorry問題の結論。謝っているのか、謝罪ではないのか?


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。