「I’m being…」の意味と使い方を教えて!

 

...「I’m being…」の意味と使い方を教えて!



こういうご質問をいただきました。

I’m already being helped, thank you.
という英文を見かけました。

being+過去分詞の形はどういう時によく使いますか?
be動詞+過去分詞の受身の形との違いを教えてください。

I’m being helped. は I’m helped. が進行形になった形です。

be動詞の後にbeingが来ていますので、これを初めて見た時には
かなり違和感があるのではないかと思います。
 
でも、単なる慣れの問題です。

ぜひこの解説をしっかりと読んで理解していただき、
そして、慣れてしまってくださいね。
 
現在進行形について「~している」という風に覚えて
いらっしゃるかもしれませんが、ここでは

「一時的というニュアンス」

を持っています。
 
例えば、
He is being selfish.
という文で考えてみましょう。

もし、普通にbe動詞だけを使って
He is selfish.
のように言うと、
be動詞は「イコール」の意味ですから、
He = selfish というのが現在の事実だ
という発言になります。
 
日本語に訳すならば、
「彼は(性格的に)自己中だ」
ということになるのです。
 
そこで、be動詞の進行形を使って
He is being selfish.
のようにすることで、
「一時的な状態に過ぎない」
ことを表わせます。
 
「彼はいま一時的に自己中な状態だ」
という意味合いですから、例えば
「彼は自己中に振る舞っている」
と訳すこともできるかもしれません。
 
「いつもはそんな人じゃないのに、
今日は一体どうしたのだろう…?」
そんな背景を感じさせたりもするでしょう。

そのような意味の違いが、be動詞を
進行形にすることで現れるのです。
 
では、ご質問の文に戻りましょう。

I’m being helped.
を進行形にしなかったならば
I’m helped.

これだけだとよく分からないかもしれませんが、
お店で
May I help you?
と言いますよね。

その「help me されている」ことが
be helped
なんです。

ただし、
I’m helped.
と言ってしまうと、
「ずっとhelpされている(仕えられている?)」
という関係性を表わしてしまいかねません。

ここでは、お店の中にいる間だけ、
「一時的にhelpしてもらう(給仕されている)状態」
を表現したいのですよね。

ですから、be動詞を進行形にして
I’m being helped.
のように表現するのです。

ご質問の
I’m already being helped, thank you.
という文は
May I help you?
と言われた時、既に店員さんが応対して
くれている場合に使ってくださいね。

I’m being served, thank you.
のように言ってもOKですよ。

***

では最後に、ちょっと慣れていただくために、
5つほど例をご覧に入れましょう。

a) She is being stalked.

b) He is being funny.

c) I’m being lazy.

d) He is being good.

e) I was being careless.

さて、ニュアンスがきちんと分かりますか?
 
a) She is being stalked.

She is stalked. のように言えば、
ストーカーに付きまとわれていることになります。

She is being stalked.
は一時的ですので、
「いま追いかけられている、付きまとわれている」
という意味になります。

b) He is being funny.

He is funny.
であれば「彼は面白い(人だ)」
という普通の発言ですね。

He is being funny.
は一時的ですから、
無理に冗談を言おうとするなど、
「おかしく振る舞っている」感じですね。

c) I’m being lazy.

I’m lazy.
の場合には、普段がぐうたらなことに
なりますよね。

I’m being lazy.
は、今なんかやる気が出ない……
というのを感じてくださいね。

d) He is being good.

He is good.
であれば
「彼はいい人だ」
という意味合いですね。

He is being good.
は一時的ですから、
「彼は良い子ぶっている」
というニュアンスになります。

e) I was being careless.

I was careless.
であれば
「私の不注意でした」
という感じ。
注意が足りないことがよくありそうに
聞えます。

それに対して
I was being careless.
というのは、不注意な性格では
ないけど、何かの原因で、
一時的に注意散漫になっていた
ことを表わします。

例えばちょっとお酒を飲んでいたり、
浮かれていたり……という感じでしょうか。


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。