「~について」はaboutだけでなくonもある

 

...「~について」はaboutだけでなくonもある


英語を読んでいたら
「thesis on education(教育についての論文)」
という表現が出てきました。
 
「~について」はaboutだと思っていたのですが、
onも使えるのでしょうか?

 

aboutの根本的なイメージ

「~について」を意味するのはaboutだ……という暗記から
まずは脱却する必要がありますね。
 
aboutには「約、およそ」という意味合いもあります。
 
例えば「about 100 people」と言えば「約100人」
ですよね。
 
aboutは元々「周り」というイメージを持っている
単語です。
 
そこから「約、およそ」という意味合いになるのです。
 

「about = ~について」ではない

ではなぜそこから、about が「~について」という
意味で使われるのでしょうか?
 
例えば「教育についての本」を例に
考えてみましょう。
 
そのような本には、一体どのようなことが
書かれているでしょうか?
 
例えばですが、
・教育の重要性
・教育を疎かにするとどうなるか?
・世間の教育に対する意識
・教育がうまくいった事例
・教育にかかるコスト
……などといった様々なことが書かれている
かもしれませんね。
 
それらは「教育の周りにある物事」だと
言えませんか?
 
英語ではそれを
「a book about education」
のように、周りを表す前置詞aboutを
使って表現するのです。
 

onは「ピンポイント」

それに対して、ご質問のようにonも使われます。
 
この場合には「周り」ではなく、もっと
「ピンポイント」なイメージがあります。
 
例えば
「focus on ~」(~にフォーカスする)
「concentrate on ~」(~に集中する)
といった表現があります。
 
on は元々「接触」を意味することから、
「ピンポイントでそこに当たっている」
ようなイメージを持つのです。
 
「~について」という意味合いであれば
「専門書」的なニュアンスが出るのです。
 
ですから「thesis on education」などは
まさに専門的な論文ですから、
onのニュアンスにピッタリなのです。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。