こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
私の電子書籍
『サッと読めて忘れない!英単語の語源と本当の意味』
をお読みくださった方からこういうご質問を
いただきました。
Vol. 14. drop と fall は落ち方がどう違う?
よくわかりませんでした。
しずくと落石が例えられましたが、
他の例えを2〜3個挙げていただけますでしょうか?
上記の電子書籍は、新聞での連載をまとめた
ものであり、文字制限の関係で、あまり
詳しい解説は載せてありません。
(あくまでも重要なポイントだけお伝えして
いますので、学ぶ/興味を持つキッカケに
していただければという位置づけです)
dropとfallのイメージの違い
感覚の違いを図で表すと、以下のような
感じになります。
dropは「点」であり、fallは「線」です。
これはあくまでもイメージであり、
捉え方の違いですから、特にどちらを
使っても差が出ないこともあります。
例えば、
The temperature fell/dropped suddenly.
(気温が急に下がった)
と言う場合には、dropとfallのどちらを
使ってもほとんど差はありません。
それを踏まえた上で、両者の違いを
具体的に見ていきましょう。
fallは「線」での落下
fallのイメージは「線」です。
落ちていく「過程」に意識がある
と言えます。
例えば、登山をしていて落石が発生
したときに「Fall!」と言って
注意を呼び掛けることがあります。
それは「落ちていくものがある」
ということを知らせているわけですね。
また、例えば「滝」のことは、
falls
と言います。
「ナイアガラの滝」は
Niagara Falls
ですね。
滝はまさに、水が落下していく様子が
「線」状に見えますよね。
dropは「点」での落下
dropのイメージは「点」です。
例えば、a dropのように名詞で使うと
「しずく(雫)」
や
「あめ玉」
という意味を持ちます。
fallが落ちる「過程」なのに対して、
dropは、落ちる「場所」や、落ちた後の
「結果」などに目が向きます。
急に落ちる感じと言いますか。
もちろん、落下すること自体にスピードが
ありますから、fallだって早いわけですが、
drop を使うと「一瞬でパッと落ちる」ような、
急な移動を表すことになるのです。
dropは「落とす」意味にもなる
fallとdropの一番大きな違いが、
「落とす」という意味で使えるのが
dropだけだということでしょう。
I dropped my smartphone yesterday.
(昨日、スマホを落とした)
みたいな感じで、目的語をとる
「drop+名詞」という使い方が
あります。
fallは「自由落下」ですから、
目的語は基本的に取りません。
また、droppings と言うと
「(動物の)ふん」
という意味にもなります。
dropでは、落ちた後の「結果」に
焦点がいっているわけです。
fallには「倒れる」意味もある
もう少し、fallとdropの違いを
ご紹介しておきましょう。
fallは以下のような動き
にもなります。
つまり「倒れる」動作も表します。
例えば、1989年に起こった
「ベルリンの壁の崩壊」は
The fall of the Berlin Wall
なのです。
また、「眠りに落ちる」ことは
fall asleep
次第に深くなっていく感じが
fall によって表されています。
眠る時には drop は使いませんが、
因みに、drop dead という言い方も
あります。これで「(急に)死亡する」
ことを表しますね。