こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
スウェーデン人の環境活動家、
グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)さんの
スピーチが話題になっていますね。
日常会話で、そこまで使う頻度の多くない
「dare」という単語が登場しています。
そして、2通りの使い方がされていますね。
How dare you!
1つは「How dare you!」という言い方。
これは、非常に日本語に訳しづらいのですが、
「よくも…!(~~をしてくれたな)」
という感じで、怒って言う言葉です。
How dare you!
(よくも!)
You have stolen my dreams and my childhood with your empty words.
(あんたは私の夢や子ども時代を、空虚な言葉でうばいやがった)
And yet I’m one of the lucky ones.
(でも、私は幸運な方の人間です)
People are suffering. People are dying.
(苦しんでいる人や亡くなっていく人もいます)
Entire ecosystems are collapsing.
(生態系の全体が壊れていっています)
We are in the beginning of a mass extinction,
(人類が絶滅の危機に瀕しているのに)
and all you can talk about is money and fairy tales of eternal economic growth.
(あんたらがしている話はお金と、永遠に経済成長するという夢物語)
How dare you!
(ふざけるんじゃない!←意訳)
How dare+文
そしてもう1つは、
「How dare…」
の後に文が続く形です。
後ろに続く文の内容について、
「よくも、~~してくれやがったな!」
と、相手の厚顔無恥を指摘するような、
やはり怒りを伝える表現です。
How dare you continue to look away and come here saying that you’re doing enough
(よくも、目をそらし続けたくせに、この場に来て「十分努力している」なんて言えるな!)
How dare you pretend that this can be solved with just “business as usual” and some technical solutions?
(いつも通りに働いて、ちょっとした技術的な方法を使えば、これは解決できるなんて嘘の主張をしやがって!)
子どもの喧嘩や、かなり感情的になるような場面
でもないとなかなか見かけることのない表現ですので
初めて知ったという人もいるかもしれません。
この表現をただ暗記してしまうのはもったいないですから、
もう少しdareについて解説しましょう。
dareは「勇気がある」ことを表す
dareが表すのは、普段しないようなことや、
他の人がしないようなことに挑戦するような、
危険や恐怖を顧(かえり)みない
大胆さや勇気があること――。
ですから、グレタ・トゥーンベリさんの発言においても、
環境破壊や人類滅亡といった危機を顧みることのない
世の中の大人たちに対して、dareという言葉が
使われているのです。
なお「勇気」とは言っても、dareはちょっとネガティブな感じも
ある単語であり、褒めるような意味合いで使われることはありません。
例えば、子どもが別の子どもに対して、
Do you dare?
(お前にその勇気があるか?)
なんて言ったりします。
要するに、相手をけしかけるような表現なのです。
ですから、大人になるとあまり使わない表現
だと思います^^
Don’t you dare!で「~するな!」
先ほどの Do you dare? は相手の勇気を試しましたが、
否定の疑問文にして、
Don’t you dare
のように言うと、反語的に「~するな」という
意味合いになります。
(よく分からない場合には、
Don’t dare と言っているとお考えください)
A: I’ll tell him the truth.
(彼に本当のことをいいます)
B: Don’t you dare!
(やめて!)
以下の例では、dareは助動詞的な感じで使われて
います。
Don’t you dare talk to him.
(彼に話しかけるな)
dare+動詞で「敢えて~する」
比較的よく使われるのが
I dare say…
という言い方です。
このように言うと「敢えて言います」というような
気持ちで、「たぶん~だ、と信じていること」を
伝える表現になります。
I dare say I’m lucky.
(敢えて言えば、私はツイているんでしょう)