もう使われないgiveのイディオム?

 

...もう使われないgiveのイディオム?


以下にお見せするのは、私が以前執筆した
『頑張らない英会話フレーズ』
に掲載しようとしていた表現です。
 
・give a laugh(思わず笑う)
・give a sigh(ため息をつく)
・give a cry(大声/叫び声をあげる)
・give a scream(思わず叫ぶ)
・give a groan(うめき声を出す)
・give a yawn(あくびをする)
・give a sneeze(くしゃみをする)
・give a cough(咳をする)

 
これらについて、私はこのように解説するつもりでした。
 
giveのコアにあるのは「(なわばりから)出す」という
イメージ。そこから「(思わず)する」というニュアンス
を持つフレーズになるのです……と。

 
しかし、アメリカ出身のネイティブの友人に
チェックしてもらったところ、こんな風に
言うのです。
 
「違和感があります」
 
ぜんぶ辞書に載っている表現なんですよ。
 
そして、感覚的にも非常に理解しやすい……と
私は思っていました。
 
でも、現在のアメリカ英語では以下の英文は全てNGだと
ネイティブチェックが入りました。
 
× I gave a sigh when I heard the explanation.
× I gave a cry when I heard the baby was born!
× I gave a scream when I saw the clown jump out of the box.
× I gave a groan when my mom asked me to wash the dishes.
× The child gave a yawn as she listened to the bedtime story.
 
give の代わりに let out を使って
let out a sigh
などのように言えばOKだそうです。
 
さらに、
・give a sneeze(くしゃみをする)
・give a cough(咳をする)
については全く使わないとのこと。
 
単純に sneeze、cough を動詞で
使ってくださいとのこと。
 
おもしろい事例だと思いましたので、
シェアさせていただきます。
 
日々是、勉強ですね。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。