前回の記事「新しいことを学べる人・学べない人」は
なかなか好評をいただきました。
新しいことを学ぶためには、古い考え(方)を
手離す必要がある、とお伝えしました。
それを英語学習に置き換えるとどうなるか…?
について今回は書きたいと思いますが、
まずは「水泳」に喩えてみましょう。
例えば、子どもの頃から「浮き輪」を使っていて、
大人になってもいつまでも浮き輪を使い続ける――。
それが古い考え方を手離せないようなものなんです。
泳ぎがうまくなるためには、浮き輪を手離す必要があります。
別に「捨て」なければいけないわけではありません。
使いたければ使えばいいのですが、使わないことも
できるようになる、というのが手離すということです。
そして、泳げないと思っている人が浮き輪を手離す
ためには、まずは信じることが必要です。
「浮き輪がなくても浮く」と。
それが信じられない限り、「浮き輪がないと浮かない」と
(無意識に)信じ続けてしまうので、いつまで経っても
初心者からは抜け出せません。
「自分の力で浮くことができる」と信じて試してみて、
そして、本当に浮くという「体験」ができたら、
「自分は浮く」と「知る」ことができます。
浮き輪のように、何かを手離そうとすると、恐怖が
やってくるものです。
「うまく行かないんじゃないだろうか…?」
「溺れてしまうんじゃないだろうか…?」
そういう時には意識して
「信じる」⇒「体験する」⇒「知る」
というプロセスを経るのが1つの方法です。
そして「信じる」ところと「体験する」ところは
うまく誰かのサポートが入るとベストです。
自分が経験したことのないことを独学で進めるのは
なかなか難しいですからね。
***
さて、それを英語学習に置き換えると、浮き輪に当たるのが
「日本語に訳すこと」
でしょうね。
日本語に訳さないと、英語を理解できない――。
そのように(無意識に)信じてしまっているのです。
英語がうまくなるためには、日本語訳を手離す必要があります。
別に「日本語は一切禁止!」などと言っているのではありません。
使いたければ使えばいいのですが、使わないことも
できるようになる、というのが手離すということですね。
そして、英語ができないと思っている人が日本語訳を手離す
ためには、まずは信じることが必要です。
「日本語訳がなくても英語は理解できる」と。
それが信じられない限り、「日本語に訳さないと理解できない」と
(無意識に)信じ続けてしまうので、いつまで経っても
初心者からは抜け出せません。
ずっと日本語を介し続けてしまうのです。
「自分の力で英語が理解できる」と信じて試してみて、
そして、本当に理解できるという「体験」ができたら、
初めて「知る」ことができます。
むしろ、それまで「大して理解していなかった」ことに
気づくのです。
「理解」というものを大きく誤解していたことに。
このことを体験していただくと、英語の世界の見え方が
大きく変わります。
けっこう衝撃的ですよ。
それまで無機的だった世界が、カラフルに色づきはじめ、
豊かな広がりがあったことに気づくのですから。
「英語は生き物だったのだ!」と。
多くの方が、英語を頑張って学んだ(たくさん覚えた)のに
忘れてしまった……という経験をしていることでしょう。
その最大の原因は、本当の理解ができていないからなんです。
一度、泳げるようになった人は、何十年ぶりでも泳げます。
自転車でも、スキーでも、同じことが言えます。
英語もそうなんです。
もし、自分の感覚をしっかりと使って、体で覚えることが
できたなら、英語も忘れなくなります。
もちろん、単語が出てこないことや、鈍ることはあっても、
「昔はしゃべれたのに、今はしゃべれない」
「もう聞き取れなくなった」
などということは絶対に起こらなくなります。
ということで、英語の中級~上級者を目指しているという方は、
日本語を介することをやめましょう。
・英文を日本語訳して理解しようとすること。
・返り読み。
・カタカナ読み。
これらをぜひ手離しましょう。
そして英語を、語順のままに、そのまま味わえることを
ぜひ目指してみて下さい。