こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
大坂なおみ選手が、全豪オープン(Australian Open 2019)に
優勝し、世界ランキングでも1位になりましたね。
優勝者スピーチ(championship-winning speech)の
映像がありますので、どうぞご覧ください。
約1分頃からスピーチが始まります。
大坂なおみ選手の英語スピーチ(全豪オープン2019)
英語スピーチのスクリプト(文字起こし)
以下にスピーチの文字起こしを、対訳付きで掲載します。
Um… hello.
あのー、こんにちは。
Oh, sorry. Public speaking isn’t really my strong side, um.
ごめんなさい。人前でしゃべるのは得意なわけではないので
So, I just hope I can get through this.
なんとかこなせたらいいなと思っています。
Huge congrats to you, Petra.
(準優勝のクビトバ選手に対して)本当におめでとうございます。
I’ve always wanted to play you.
あなたとはずっと対戦したかったのです。
And you’ve been through so much.
(大怪我のことなどを指して)とても大変な経験されましたが
And honestly I wouldn’t have wanted this to be our first match.
正直言って、これが初対戦ではなくもっと早くから試合がしたかったです。
But yeah, huge congrats to you and your team.
でも、本当におめでとうございます。
And you’re really amazing.
あなたも、あなたのチームも素晴らしいです。
And I’m really honored to have played you in the final of Grand Slam.
四大大会の決勝戦で戦えたこと、本当に光栄です。
I want to thank you guys for coming and watching.
(観客に対して)みなさんにも見に来てくれたことに対して感謝します。
Uh… um… thank you.
えーと・・・(拍手に対して)ありがとう。
It’s really hot all the time so honestly I’m… oh, thank you.
ずっととても暑い中、本当に・・・(トロフィーを置くように促されて)ありがとう。
Yeah, even though it’s really hot, you guys still come and show support,
はい、とても暑いにも関わらず、来てくれて応援をしてくれました。
so I really want to show my gratitude for you.
みなさんに本当に感謝の気持ちを表したいと思います。
Yeah, then, thank you to Craig, the tournament director,
それから感謝を伝えたいのは、トーナメントのディレクターであるクレッグ、
the ball kids running around in the heat,
暑い中、走り回ってボール拾いをしてくれた子どもたち、
the umpires, the volunteers, everyone.
審判団、ボランティアの方たち、そして全ての人たち。
You make this tournament possible, so I want to thank you guys too.
みなさんのおかげでこのトーナメントが実現したことを感謝したいです。
And thanks to my team.
そして、私のチームにも感謝します。
I really… I don’t think I would have made it through this week without you guys.
あなたたちがいなかったら今週、勝つことはできなかったと本当に思います。
And behind a tennis player is always a team.
テニス選手の背後には常にチームがいるものです。
And I’m really grateful, so thank you guys.
だからとても感謝しています。みんな、ありがとう。
Yeah, I read notes before this.
実はこのスピーチの前にメモを読んだんですが、
But I still forgot the rest of what I’m supposed to say.
私が言うべきことの残りをやっぱり忘れてしまいました。
So, just thank you everyone.
なので、みなさんにただ「ありがとう」です。
And I’m really honored to have played in this final, so…
この決勝戦でプレーできたことがとても光栄ですので…
Thank you.
ありがとうございます。
大坂なおみ選手の英語に学ぶワンポイント
動詞playの使い方
大坂なおみ選手は、playという動詞を以下のように使っています。
I’ve always wanted to play you.
日本語でも「プレイする」と言いますから、
「play with you」ではないかと思ってしまう人も
いるのではないでしょうか。
しかし、それだと「あなたと遊ぶ」という意味に
なってしまうかもしれません。
試合で「対戦する」という場合には、人を目的語にして
「play you(あなたと試合する)」
「play Novak Djokovic(ジョコビッチと対戦する)」
などのように使います。
throughの使い方
大坂なおみ選手は、何度もthroughという単語を使っています。
through というのは、トンネルのようなところを
通り抜けるイメージを持っている言葉。
そこから
「経験する」「通り抜ける(終える)」
といった意味合いにつながります。
まずは苦手な人前でスピーチをしなければならないことに対して
I just hope I can get through this.
なんとかこなせたらいいなと思っています。
get through は「(苦労して)通り抜ける」という感じですね。
次は、大怪我を乗り越えたクビトバ選手に対しての
発言です。
You’ve been through so much.
あなたはとても大変な経験されてきました。
「be through」という言い方になっていますが、
まず「go through ~」で「~を経験する」という
意味になります。
それが現在完了形になっていますので、
go(gone) ではなく be(been) を使っています。
そしてもう1つ、自分を支えてくれるチームの
メンバーに対して、こう言っています。
I don’t think I would have made it through this week without you guys.
あなたたちがいなかったら今週、勝つことはできなかったと思います。
「make it through」は「切り抜ける」みたいに
訳されることが多いかもしれません。
make というのは「努力して道を切り開く」ような
場合によく使われる動詞なんです。
仮定法なども含まれていてちょっと複雑ですが
I think などを取り除くと
I wouldn’t have made it through without you.
つまり
「あなたたちがいなければmake it throughできなかった」
と言っていますね。