「Love is over.」はなぜ過去なのにwasにしない?

 

...「Love is over.」はなぜ過去なのにwasにしない?


「Love is over.」はなぜ過去なのにwasにしない?

こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
こういうご質問をいただきました。
 

質問があります。
Love is over.
過去のことなのになぜwasでなくisなのですか?

 
素晴らしいご質問です。
なぜなら、ここには「日本語と英語の考え方の違い」が
表れているからです。
 
日本語だと「愛が終わった(もうなくなった)」という
風に過去のこととして捉えています。
 
しかし、英語だと
Love is over.
のように、おっしゃる通り現在形になっています。
 

overの持つコアイメージとは?

over という単語は元々、以下の図のような
基本イメージを持っています。
 

 
日本語で説明するならば「覆う」ような
イメージだと言えます。
 
例えば「cover over the car」でgoogleを
画像検索すると以下のような画像が出ます。
 

 

なぜoverで「終わった」という意味になるのか

over の意味は上記の基本イメージから
様々に派生するのですが、その1つが
「終わった」という意味合いです。
 
例:The game is over.
 
このように言うことで
「試合が終わった」
という意味になります。
 
例えばサッカーの試合であれば、
90分などと試合時間が決まっていますが
それを超えたことをイメージしてください。
 

 

なぜ過去形のwasではなく現在形のisなのか

では、なぜbe動詞を過去形のwasにせず、
isで言うのでしょうか?
 
その答えはoverという単語がそれ1つで
「終わった状態」を表しているから――。

 

 
終わってから「終わった」と思っている人が
The game is over.
と言うわけですが、その人にとっては
「終わった状態にある試合がいま存在している」
わけです。
 
Love is over.
も同様です。
 
終わってしまった愛を、いま目の当たりに
しているから現在形のisを使っているのです。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。