僕のことを「ロイ先生」とは呼ばないでください

 

...僕のことを「ロイ先生」とは呼ばないでください


「ロイ先生」ではなく「ロイさん」でお願いします

こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
あなたは、英語を教えてくれる人のことをどう呼びますか?
 
私の本を読んだり、教材を使ってくださったりしている方。
そして、講座に参加してくださる方。
 
その中で、私のことを
「西澤先生」「ロイ先生」
などと呼ぶ人が非常に多いのです。
 
先日、テレビの収録に行ってきましたが、
その現場でも、魚住アナに「先生」と呼ばれてしまい、
「ロイさん」でお願いします、と伝えたのでした。
 
もちろん、日本の文化として、
教えてくれる人が「先生」であり、教わる人が「生徒」
という図式があることは重々承知しています。
 
しかし、英語に関して言えば、教えてくれる人を
「先生」と呼ぶことにより、上達を阻害している
という現実がある
こともぜひ知っていただきたいのです。
 
ですから私ロイは、講座などでは
「先生と呼ばないでください」
という風にお伝えしています。
 
(メールだと、いちいち面倒なのでスルーして
しまうことも多いのですが)
 

「先生」と呼んではいけない理由1:特別視

なぜ「先生」と呼ぶことを禁止するかというと
きちんと理由があります。
 
まず1つ目は、「先生は特別な人だ」という
意識が生まれてしまいやすいことです。
 
いや、本当は「先生」に当たる人は、
「自分は特別でもなんでもない」とか
「誰でもできる」ということを伝える存在
です。
 
しかし、学ぶ人が「先生」と「生徒」を分けることで、
「先生」は「できる人」「すごい人」だという
レッテルを無意識に貼ってしまいやすいのです。
 
それは逆に、自分は「できない人」だという
レッテルを貼ることにつながります。
 
もちろん、先生への敬意を持つことは大切
かもしれませんが、決して先生を特別視しては
いけないのです。
 

「先生」と呼んではいけない理由2:受け身

もう1つの理由の方が、害が大きいと言えます。
 
私たちの中には、学校時代の経験が原因で、
「先生」=「教えてくれる人」であり、
「生徒」=「教えてもらう人」という図式が
刷り込まれてしまっている
のです。
 
そのため、教えてくれる人を「先生」と呼ぶ人は
「受け身の姿勢」になりやすいのです。
 
例えば・・・
 
先生の話を一方的に聞き、分からないところを
そのまま放置してしまう――という人が少なく
ありません。
 
また、分からないところを質問するにしても、
「ここが分かりません」
「・・・について教えてください」
の一点張り。
 
何が分からないとか、どこまで理解できている…
といった具体性がないと、上のような質問に
きちんと答えるのはムリに近いです。
 
しかし、知らず知らずのうちに、受け身の姿勢に
なってしまい、うまく歯車がかみ合わない――
ということが日常茶飯事なのです。
 

「さん」付けなのは対等な立場だから

ですから私は、受講者の方には「ロイさん」と
呼んでもらうよう伝えています。
 
別に私が偉いわけでもないし、対等な存在だと
思うからです。
 
私は、英語を学ぶ方のやる気や納得を引き出す
「ファシリテーター」なんです。
 
対等な立場で、学習のお手伝いをする
にいちゃん(×おっさん)なんですよ。
 
もちろん、英語の知識や、上達のノウハウに
関しては、私の方が知っているかもしれません。
 
でも、英語の“教え方”として、私は特に
「英語を教えている」
と思っていません。
 
「英語ってこういう考え方なんですよ」
とか、
「この動詞はこういうイメージなんですよ」
という情報を「紹介」しているだけなんです。
 
そして、学習者の興味や好奇心を尊重し、
理解に寄り添う――ということをやっているだけです。
(いや、究極的にそれしかできないんですよ)
 
ですから、対等な存在でなければいけないん
ですよ。
 
私のことを「ロイ先生」などと呼びはじめ、
「受け身」の姿勢になったり、
「教わろう」とした途端に、学習効率が
大幅に悪くなってしまうんですよ。
 
だから、先生呼ばわりされたくないんです。
私ロイの目的は、学習者のみなさんにもっと
もっと英語で上達していただくことですから。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。