startとbegin。意味やニュアンスの違いとは?

 

...startとbegin。意味やニュアンスの違いとは?


こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
こういうご質問をいただきました。
 

「会議は2時から始まります」という英作文で
The meeting will start at 2 o’clock.
と最初に書いたのですが、
startをbeginにしたらどうなのかな?
とふと思いました。

意味はあまり変わらないような気もするのですが、
この二つの単語はどんなイメージやニュアンスがあるのですか?

 

大前提:初級者の方は気にしすぎないのがオススメ

まず最初にお伝えしておきますが、startとbeginの違いは
非常に微妙です。
 
言葉で説明するのは非常に困難なレベルですから。
 
ですから、特に初心者の方は、この2つの単語を
使い分けよう・・・と思わない方がいいです。
 
重箱の隅をつつくことになってしまうからです。
 

startとbeginのイメージはどう違うのか?

まず、反意語から押さえておきましょう。
start の反対は stop。
begin の反意語は end なのです。
 
これらを含めて図で書くと以下のような感じになります。
 

 
start は、動き出す感じ。
反対に、stop は動いているのが止まる感じです。
 

stop to doがなぜ「~するために立ち止まる」なのか?

例えば、受験時代に stop の使い方について
「stop to smoke」という用例で
暗記した人も多いのではないでしょうか。
 
He stopped smoking.
(彼は煙草を吸うのをやめた)

 
He stopped to smoke.
(彼は煙草を吸うために立ち止まった)

 
stop というのは、上の図のような
イメージですから、目的語がsmokingであれば、
それまで吸っていたのを stop するわけですが、
 
目的語なしで、自動詞で使えば、
自分が歩くなどしていて、stopした、
という風に解釈できる、ということなのです。
 

begin/endは一瞬

beginとendというのは、開始/終了の
一瞬を表す言葉です。
 

 
名詞として使うと、その意味が際立ちます。
 
This is just the beginning.
(これは始まりに過ぎない)

 
This is the end of the story.
(これがその話の終わりです)

 

ではstartとbeginはどう違う?

その答えは微妙です。
 
例えば、走るときの「スタートライン」は
starting line
と言います。

 
「start to run」と言えば、
「走り始める」という意味ですが、
始めた後も動き(走り)続けているところが
ニュアンスとして含まれます。
 
「begin to run」は、走り始めるその最初の
ところにフォーカスをすることになります。
 
じゃあどう違う…?というのは、本当に微妙な
ところですし、もう日本語には訳せません。
ですので気にしすぎない方が良いでしょう。
 

startとbeginの用法の違い

あとは用法の違いとして、
Let’s begin.
とは言いますが、ネイティブは
Let’s start.
とはあまり言わないでしょう。
 
start の後に何か言葉が欲しくなるんです。
 
Let’s start the game.
(ゲームを始めよう)

 
のように目的語を続けることが多いですし、
もしくは何らかの言葉を続けて例えば
 
Let’s start with a toast.
(乾杯で始めよう)

 
みたいな言い方をしたり。
 
後ろに言葉を続けずに、start を使う
場合には大抵、
 
Let’s get started.
 
という言い方をします。
この表現、会話で非常によく使われますよ。
 

「会議は2時から始まります」はstart?begin?

最後に、冒頭のご質問へのお答えですが、
The meeting will start at 2 o’clock.
The meeting will begin at 2 o’clock.
のどちらでも大丈夫です。
 
意味的にも・・・ほんと微妙な違いしか
ありませんね。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。