英文を読むスピードを上げるリーディング方法(保存版)

 

...英文を読むスピードを上げるリーディング方法(保存版)


英文を読むスピードに関する質問

こういうご質問をいただきました。
 

英文を読むスピードは1分間で160語がひとつの目安だそうですが、
これに届かない場合は

(1)英文のレベルを落とす
(2)多少理解が追い付かなくてもとにかく1分160語のスピードで読む
(3)あくまで理解できる範囲で可能な限りスピードを上げる

のどれがいいでしょうか。
 
今は(3)の方法で、例えばJapan timesの150語くらいの記事に1分30秒以上かかっています。

 
 
あなたは、どう思いますか?
 
英文を読むスピードや、リーディング力を
高めるには、どうしたらいいと思いますか?
 

イングリッシュ・ドクターによるお答え

そもそも、1のやり方で多読をしている人も
いるのではないでしょうか。
 
知らない単語がいくつも出てくるような
難しい英文だと、読むのが大変になり、
やる気が続きません。
 
ですから「多読」という方法では、英文のレベルを
ちょっと下げて、たくさん読むことを勧めます。
  
 
もちろん、これはこれで有効な学習方法であり、
そもそも英文を読む絶対量が少ない人は、
「読む習慣」をつけるといいですね。
 
やっぱり、アウトプット以前にインプットが
重要ですし、読むのが一番の基本ですから。
 
 
ただし、この読み方(多読)をいくらやっても
難しい英文が読めるようになるわけではありません。
 
ボキャブラリーは増えますから、
理解できることは増えます。
 
しかし、例えば日常会話レベルの
平易な英語が分かる人が、
ニュースの英語を理解できるようになる……
 
といったことは起こりません。
 
 
次に、2番です。
 

(2)多少理解が追い付かなくてもとにかく
1分160語のスピードで読む

 
これは、絶対にやってはいけない読み方です。
 
例えると分かりやすいと思うのですが、

車の免許を取りたての初心者に、時速100キロで
ずっと走らせていたらどうなるでしょうか?

 
おそらく、高い確率で事故りますよね。
 
まずは、もっとゆっくりとした運転がきちんと
できるようになってから、スピードを出していく……

というように、物事には順番がありますよね。
 
 
英語を理解するときにも全く同じことが言えます。
 
ゆっくりで読めていない人が、
“慌てて”読んだところで、
いい加減な読み方しかできません。
 
ですから、2のやり方は厳禁なのです。
 
 
では、3のやり方はどうなのでしょうか。
 

(3)あくまで理解できる範囲で可能な限り
スピードを上げる

 
これも、ちょっと危険かもしれません。
 
なぜならこれも「いい加減な読み方」になってしまい
かねないからです。
 
1と2の中間的なやり方なので、
「いいとこ取り」
だと思う人もいるかもしれませんが・・・

現実には「悪いとこ取り」になってしまわないように
注意が必要だと言えるでしょう。
 

リーディングの速度を示す数字:WPM

質問者の方は、

英文を読むスピードは1分間で160語が
ひとつの目安だそうですが、

 
と書いていますが、この単位を
 
WPM(word per minute)
 
と言います。
 
 
この数字は、リスニングをする時に
特に大切になります。
 
「読むスピードよりも速い英語になると
リスニングが追い付かない」
 
ですから、一定のスピードでのリーディング力が
英語力を高めるためには必須なのです。
 
いや、むしろ、リーディングが遅いことが、
英語力の「ボトルネック」になってしまっている
ケースも少なくありません。
 
 
質問者の方は

今は(3)の方法で、例えばJapan timesの
150語くらいの記事に1分30秒以上かかっています。

 
と書いてくれていますから、おそらく

90~100 wpm

くらいなのではないでしょうか。
 
目安として言われるのは、
TOEICのリスニング問題は
「160~180wpm」

そして、アメリカのニュースが
「180~200wpm」

一般的なアメリカでの会話は
「200wpm以上」です。
 
つまり、読むスピードが全然足りていない
というのが明らかですね。
 
そこで、3の方法でリスニングをしても、
スピードはそこから上がりません。
 
なぜなら、
 
【根本的に、英文が読めていない】
 
からです。
 
 

英語病「オクトパス・リーディング病」

英語病の診断をさせていただきますと・・・
 
「オクトパス・リーディング病」
 
です。
 
これは英語を読む時に、いきなり「意味」を
理解しようとしてしまう英語病です。
 
その悪癖のせいで、英文を処理するスピードが
上がらず、ボキャブラリーに頼るような読み方
をしてしまうことになるのです。
 
 
英文には「骨格」があります。
 
その骨格をしっかりと掴むことが、
意味を考える前に大切なのです。
 
 
骨がないという意味で「タコ」になぞらえて
ネーミングしましたが^^
 
英語の「骨格」を掴むことができると、
 
・知らない単語が含まれる英文でも読める
 (知らない単語は無視して読み進められる)

 
というスキルが手に入ります。
 
また、英文を読むスピードが格段にアップ
しますから、英字新聞や論文のような
難しい英文でも難なく処理できるようになります。

(※ボキャブラリーは当然ながら別ですよ)
 
 
でも逆に、英文の「骨格」が掴めないままで、
オクトパス・リーディング病にかかっていると、
 
・難しい英文が読めない

・知らない単語が多い英文には歯が立たない

・推測が多く、時々意味を大きく取り違えてしまう

・たくさんリスニングをしても、リスニング力が上がらない
 
といった症状が起こってしまうのです。
 

オクトパス・リーディング病のなおし方

 
では、オクトパス・リーディング病を治すためには
一体どうしたらいいのでしょうか?
 
お答えとしては、まず
「文法力」が必要になります。
 
 
・・・この時点で、「文法が苦手」だと思った人も
いるかもしれませんが、心配はいりません。
 
文法というのは、「言葉を使う上での決まり」に
過ぎません。
 
例えば、日本語の例で言うならば

「すごい」と「すごく」

の違いみたいなものです。
 
「良い」を後ろにつけると

「すごく良い」が正しいはずです。
 
「すごい良い」は、あまり褒められた使い方では
ありませんが、会話でこうやってしゃべる人は
結構いますよね。
 
 
もっと分かりやすい例を出すならば、
 
「すごい人」はOKですが、

「すごく人」とは誰も言いません。
 
これに文法的な名前をつけると
「形容詞」とか「副詞」といった文法用語が
登場します。
 
 
こういう言葉が苦手な方も多いでしょうが、
それは教え方が悪かったんですよ。
 
いきなり文法用語を呪文のように
使いだす先生が少なくないですからね。
 
 
別に「形容詞」とか「副詞」のような
文法用語としてはよく分からなくても、
 
「すごい人」はOK(←形容詞)
 
「すごく人」はNG(←副詞)
 
という判断ができる人は、その本質をすでに
理解しているんですよ。
 
それと同じ理解を、英語でもすればいいだけなんです。
 
ですから、難しいことは決してありません。
 
 
ただ、“必要悪”として「名前」は必要
なのです。
 
そうしないと、何の話をしているのかが
一切伝わらなくなりますから。
 
ですから、すでに理解できている文法の
どれが「形容詞」で「副詞」なのか・・・

という確認作業が必要なのです。
 
 

品詞を理解しながら英文を読めていますか?

さて、英文を読む時に、あなたは品詞を理解
していますか?
 
例えば

I went to a big park early in the morning.

という英文があった時に、それぞれの単語の
品詞が分かりますか?
 
I, park, morning などは名詞。

went は動詞。

to や in は前置詞。

big は形容詞。
 
 
では、early の品詞は分かりますか?
 
答えは「副詞」です。
 
 
では、a と the の品詞が分かりますか?
 
答えは「形容詞」です。
 
え、「冠詞」じゃないの?
 
と思う人が多いのですが、冠詞というのは、
a や the など(someやanyなどを含むケースもある)
をグルーピングした名称に過ぎません。
 
単語の働きを意味する「品詞」(8品詞と言われます)
には含まれないんですよ。
 
 
で、まずは
 
I:名詞
went:動詞
to:前置詞
a:形容詞
big:形容詞
park:名詞
early:副詞
in:前置詞
the:形容詞
morning:名詞
 
という風に分類ができる必要があります。
 
なお、ここで「めんどくさい」と思う人は、
もったいないです。
 
なぜなら、これは基本であり、
「無意識」に分からないといけないこと
なんですよ。
 
これが全く分からないままで放置しておくと、
申し訳ないですが、リーディング力は一定以上
伸びません。
 
難しい英文を読める力はつかないのです。
 

次に「構文(文型)」を掴む

そして次の段階として、
「構文(文型)」を掴む作業が必要になります。
 
I went to a big park early in the morning.
 
であればSV。
 
もし
 
I met John yesterday.
 
であればSVO。
 
 
この5文型も、苦手な方が多いでしょう。
 
でも、学校で口うるさく教わった理由は、
それが「それだけ大事」だからなのです。
 
だったら、もっと上手に教えてくれ、と
思う人もいるかもしれませんが^^

この力が、英文を読む時に、欠かせないんですよ。
 
 

英文の「骨格」を掴めるかどうかが勝負

さて、最初にお伝えした「単語の品詞」、
そして「構文(文型)」という2つを組み合わると

「文の骨格」

に当たります。
 
オクトパス・リーディング病にかかっている人は、
ここの理解が抜けてしまっているのです。
 
 
そして、大事なポイントがこれ(↓)です。
 
英文の意味が分からなくても、
「文の骨格」は分かる。

 
 
I went to a big park early in the morning.
がSVであり、
 
I met John yesterday.
がSVOだというのは、
 
意味を一切考えずに、分かってしまいます。
 
これが超重要なポイントなんですよ。
 
多くの人が、いきなり意味を理解しようと
して読んでしまいます。

 
でもそうすると、ボキャブラリーがたくさんないと
英文が読めなくなってしまうのです。
 
知らない単語が何個も出てくると、
意味が全然分からなくなったり、
内容を大きく誤解してしまういます。
 
 

ボキャブラリーがなくても英文は読める?

でも本当は、意味が分からなくても、
英文は読めるのです。
 
この単語の意味が分からないけど、
だいたいこういうことを言っている――

という風に、文の要点は掴めるんですよ。
 
そして何よりも、文の骨格がつかめれば、
長くて難解そうに見える英文でも、
楽にスラスラと読めてしまう
のです。
 
例えばこういう(↓)英文です。
 
The company which has provided credit to
their customers for over decades can no
longer do so due to its financial condition
caused by the recent economic stagnation
in Europe.
 
この英文を難しい……と思う人は、
「文の骨格」が掴めていないだけなんです。
 
上で解説した「品詞」や「構文(文型)」が
掴めていないだけなんですよ。
 
 

オススメのトレーニング方法

では、どういう勉強やトレーニングをしたら
「文の骨格」が掴めるようになるのでしょうか?
 
そのための書籍を、私は2018年に出しました。
 

 
『TOEICテスト最強の根本対策 PART5』

 
という本です。
 
300ページちょっとありまして、
結構「骨太」な本ですが、
一生モノのリーディング力が身につきますよ。
 
レビューをお読みいただくと分かりますが
なかなか高い評価がついております。
(1つだけ、いちゃもんっぽい☆1つがついてますが(笑))
 
・きちんとしたリーディング力を身につけたい

・英文を読むスピードを高めたい

・頭打ちになっているリスニング力を高めたい

という方には、本当にオススメします。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    TV・ラジオでおなじみのイングリッシュ・ドクター(英語のお医者さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、「TOEIC L&Rテスト最強の根本対策」シリーズ(実務教育出版)など、計9冊で累計15万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。