yieldの意味・コアイメージは?(なぜ「歩留まり」も?)

 

...yieldの意味・コアイメージは?(なぜ「歩留まり」も?)


yieldは「産出する」「利益が上がる」「屈する」?

こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
このようなご質問をいただきました。

Q.yieldという単語の意味がよく分かりません。
辞書を引くと「産出する」「利益が上がる」「屈する」などと書いてあって
全くイメージが掴めません。

ロイさん、yieldの意味を分かりやすく教えてください!

 
ご質問ありがとうございます。
 
その気持ち、よーく分かります(笑)
yieldってワケが分かりませんよね。
 
でも、もう大丈夫ですよ。
 
イングリッシュ・ドクターが、そのお悩みを
しっかりと解消しちゃいますので。
 

 

yieldの基本は「生み出す」こと

まず、細かいニュアンスの話は置いといて、
yieldの基本は「生み出す」ことだと思ってください。
 
2つほど例文をご覧ください。
 
This farm yields potatoes and onions.
(この農場ではジャガイモと玉ねぎを作っています)

 
The investment yielded a 10% profit.
(その投資は、10%の利益を生んだ)

 
どちらも「生み出す」という意味ですから
以下のようにproduceで置き換えることが可能です。
 
This farm produces potatoes and onions.
The investment produced a 10% profit.

 
ただしそれでは、どうして「屈する」という意味も
あるのかが説明できません。
 

yieldのコアイメージとは?

yieldという動詞のコアイメージを、
図にすると以下のような感じです。
 

 
下から上に伸びる矢印が「生み出す」ことを
表していると思ってください。
 
しかし、途中で「赤い矢印」が邪魔をしています。
 
つまり、生み出すことが「すんなりといく」
わけではありません。
 
何らかの「痛み」や「犠牲」を伴ったり、
「圧力」を受けたり、「努力」が必要だったり
するのです。
 
先ほどの2つの例文を再びご覧ください。
 
This farm yields potatoes and onions.
(この農場ではジャガイモと玉ねぎを作っています)

 
農業というのは、ただ種を植えておけば実が成る……
というものではありません。
 
そこには様々な努力があり、また、天候などの
運にも左右されるものですよね。
 
The investment yielded a 10% profit.
(その投資は、10%の利益を生んだ)

 
これも、ただ利益を生んでいるわけではなく、
リスクを取り、それを乗り越えているのです。
 

なぜ「譲る」「屈する」という意味になるのか?

yieldのコアイメージを理解してしまえば
「譲る」「屈する」という意味がどうして生まれるのか
もはや難しいことはありません。
 
例えば、この道路標識。
 

 
相手の車線が優先だから「道を譲れ」という
意味合いです。
 

 
矢印が「前に進む」という意味合いにも
取れますが、圧力によって影響を受けている
ことが感じられませんか?
 
ですから「相手を優先させた上で進め」という
意味合いになるのです。
 
例文を見てみましょう。
 
This sign indicates that vehicles should yield to pedestrians in the crosswalk.
(この標識は、横断歩道を渡る歩行者に対して車両が道を譲るべきだと示している)

 
また「屈する」という意味合いの例文もどうぞ。
 
John finally yielded to God’s will.
(ジョンは最終的に神の意志に従った)

 
これはかなり影響を受けていますね。
ただそれでも、(従うという)自分なりの進み方をしているのです。
 

おまけ:yieldがなぜ「歩留まり」なのか?

ちなみに製造業における「歩留まり率」のことを
英語ではyield rateと言います。
 
(※「歩留まり率」とは「製造ラインで生産される製品から、
不良製品を引いたものの割合」のことです)
 
工場ラインでは、どうしても一定の割合で
不良品が生まれてしまいます。
 
それもやっぱり、yieldなんですよ。
 

 
すんなりと生み出せるわけではないのですね。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。