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こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
私ロイが開発した英会話教材「Just In Case」の
購入者さんより、以下のご質問をいただきました。
「話す」ことを表す speak と talk、
tell と say の違いがよく分かりません。
これらは、4つもありますから
ごっちゃになりやすいですが、
根本的なところからきちんと理解を
すれば大丈夫です。
speakは「話す」
まず、比較的なじみのある speak から
いきましょう。
speak は日本語の「話す」に比較的
近いです。
「英語を話す」ことは speak English
ですよね。
またspeak は、名詞形が speech(スピーチ)
というところも大きなポイントです。
「スピーチ」ってどんなイメージですか?
一方的に話すことが多くありませんか?
また、speaker(スピーカー)は、
一方的に音が出る機器ですよね。
これは talk と比較した場合にですが、
どちらかというと一方的に話すような
イメージになります。
speak の使い方
speak が目的語を取るケースは、
基本的に「言語」です。
speak English/Japanese
のような言い方ですね。
「~について話す」ことは
speak about ~
もしくは
speak of ~
前置詞としてはまた、
to や with も使われますね。
「speak to ~」で「~に話しかける」、
「speak with ~」で「~と話す」
という意味合いになります。
talkが「おしゃべりする」と訳される理由
次に talk ですが、辞書を引くと
「おしゃべりをする」
という訳が載っていることが結構あります。
その理由は、talk という動詞が、
双方向の会話をイメージさせるから。
ですから、speech と比較をすると、
どちらかと言うと
speak はフォーマル、talk はカジュアル、
speak は一方的、talk は双方向的・・・
という雰囲気になること“も”あります。
(状況次第ですので、決めつけはできませんし、
厳密なものでは決してありません)
talk は前置詞を伴うのが基本
talk は基本的に目的語は取らないと
お考えください。
「目的語を取る」ということ自体の意味
については『頑張らない英文法』で解説
しておりますが、
動詞が表す動作が、直接の対象を取ったり、
目的語に影響を与えたりすることを
表します。
つまり、talk は基本的に、直接の対象を
持ったり、何かに影響を与えたりは
しない、ということですね。
(speak であれば、speak English と
言う場合には「英語」が対象になります。
まあ、目的語にしない speak/talk in English
という表現もできますが、その時には
speak/talk in a small voice(小さな声で話す)
と同じような、声の状態として言語を
捉えていることになるでしょう)
talkと共に使われる前置詞
speak と似た感じで、
・talk about ~(~について話す)
・talk to ~(~に話しかける)
・talk with ~(~と話す)
のような前置詞が主に使われます。
talksが意味するものは……
さて、talk の名詞形 talks の意味は
分かりますか?
talks は時事用語では「会談」を指します。
会談というのは、もちろん一方的な会話
ではなく、双方向的なものですよね。
(この場合にはカジュアルな意味合いは全くありません)
それが何度も繰り返されるのが普通ですから
talks になるのです。
また、様々なプレゼンをやっている TED は
ご存知でしょうか?
TED は speech じゃないんですよ。
あれは TED Talks と呼ばれているんです。
一方的に、フォーマルな感じで speak
するのではなく、ややカジュアルな感じで
相手に分かりやすい言葉でしゃべるところから
talk という言葉が選ばれているのでしょう。
(複数形になっている理由はもちろん
そういうプレゼンがたくさんあるからですね)
say は「言う」
次に say ですが、一番近い日本語は
「言う」
であり、言う内容を目的語に取ります。
say hello
と言えば「hello と言う」ことですね。
say の使い方と話法
基本は、
say “thank you”
のように、発言をダブルクォートで
括ることです。
(say hello や say yes/no くらいで
あれば、ダブルクォートは省略可能です)
前置詞を使う場合には、
「say to 人」のように to を使って
相手を表しますよ。
また、文法的には「間接話法」と呼ばれますが、
He said that he didn’t want to come.
のように、言う内容をthat節で表すことも
できます。
ちなみに、文法的な解説は省きますが
同じことを直接話法で表すなら
He said, “I don’t want to come.”
になります。
この辺の「話法」が入ってくると
話が複雑になりますが、ただ、
say の基本は「言う」ということであり、
言った内容が目的語になるのです。
tell は「伝える」感じ
4つの中で、一番理解されていない動詞は
tell でしょう。
tell は、
Please tell me.
のように、人を目的語に取りやすい
ことを押さえておきましょう。
つまり、
「(人に)伝える」
という意味を持つことが多いのです。
(「言う」と訳せることも多いですが、
それだと say と混同しやすいので
「伝える」だと思う方がオススメです)
Tell him the truth.
(彼にホントのことを伝えて)
のように、目的語を2つ取ることも
あります。
目的語を取らないtellの意味
tell には1つ、感覚で理解しないと
難しい用法があります。
Only time will tell.
この英文の意味が分かりますか?
直訳すると
「時間だけがtellするだろう」
言葉をちょっと補完して
「時間だけが(真実を)tellするだろう」
だったらどうでしょうか?
誰かに何かを「伝える」ためには、
その前提として、それを「理解」
していないといけませんよね。
つまり tell は「分かる」という
意味合いも持つのです。
I can tell from her face.
という英文はどうでしょう。
「彼女の顔(表情)から言うことができる」
というのはつまり、
「彼女の表情から分かるよ」
ということですね。
まとめ:コアを掴もう
speak、talk、say、tell が紛らわしいと
思う人は、コアがうまくつかめていない
ということです。
ぜひそれぞれの動詞の中心的な意味合いを
感覚的に捉えてみてくださいね。
なお、一言でまとめると以下のような
感じになるかもしれません。
speak:日本語の「話す」に近い
talk:双方向なイメージ
say:言った内容に着目
tell:(人に)伝える
注意点:結論だけを暗記してはダメ
ただし、この「結論だけを暗記」して
しまう人が多いんです。
それはただの暗記であり、
私はイングリッシュ・ドクターとして
全くオススメしません。
大切なのは結論ではなく、
そこに至るプロセスをきちんと
感じられること。
上でお伝えした話は、全て感覚で
理解できることです。
「確かにそうだ」と感覚的に思える
ようにすることが大切なのです。