「be there」と「get there」の違いがわかりません

 

...「be there」と「get there」の違いがわかりません


こういうご質問をいただきました。

「be there」と「get there」の違いがわかりません。
1.I’ll call you when I get there.
2.I think we can be there at 7.
意味は、わかるのですが、be thereとget thereの差がわかりません。
どんな感覚的な差があるのでしょうか?

get は「状態変化(状態を手に入れる)」ことを表わします。
ですから「get there」「そこにいる状態になる」、つまり「到着する(≒arrive)」という意味になります。

それに対して、be 動詞は「イコール」という意味。
「be there」を厳密に捉えれば「そこにいる状態」を表わします。

その違いを含めて訳すなら以下のような感じでしょうか。

1.I’ll call you when I get there.
そこに「着いたら」電話します。

2.I think we can be there at 7.
7時には、そこに「いられる」と思います。

もちろん、以下のようにも言えます。

2’.I think we can get there at 7.
7時には、そこに「着ける」と思います。

さて、意味の違いをあぶりだすために、敢えて「いられる」と「着ける」という風に訳し分けてみましたが、意味の差はとても微妙です。

2.I think we can be there at 7.
7時には、そこに「着いている」と思います。

という風に訳した方が、よりニュアンスが近いかもしれません。

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ちなみに、英語で席を立つ時に「すぐに戻ります」のように言いたい場合、どう言うかご存知ですか?

日本語の発想では
I’ll come back soon.
のように考えがちですが、英語では
I’ll be back soon.
のようにbe動詞で言うんです。

「come」を使うということは、その反対には「go」があることになります。
つまり、一回“離れたところ”に行くことを暗示することになって、ちょっと大げさになるんじゃないでしょうか。
ですから単純に「be back」、つまり「戻っている状態でいる」という表わし方をするのです。

日本語だと「移動」を表わすのであれば、「行く」「戻る」「着く」などと言うのが普通でしょう。
ですが英語では、be動詞で表現してしまうこともよくある――ということをぜひ押さえておきましょう。


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。