日本語では「理解できない」という言い方をしますが、
それを英語で言う場合には
I don’t understand.
I can’t understand.
の一体どちらが正しいのでしょうか?
また、意味はどのように違うのでしょうか?
「普通の言い方」と「そうではない言い方」
ここで大切になるのは「普通の言い方」と「そうではない言い方」
という区別です。
ワインに喩えるなら、日常的に飲む「デイリーワイン」と
たまに飲む「高級ワイン」がある・・・という関係と似たようなものです。
例えば「朝7時に起きる」と言いたければ
get up at seven (o’clock)
が最も普通の言い方です。
wake up だと「目が覚める」ことを強調することになりますし、
rise を使うと「堅い言葉」になります。
get out of bed のような言い方も存在しますが、
「(目覚めた後に)ベッドから出る」ことを表します。
このような「普通の言い方」を専門的には「無標(unmarked)」、
「特別な言い方」を「有標(marked)」と言います。
I don’t understand.が普通の言い方
さて、「理解できない」と言いたい場合に、英語では普通の言い方は
I don’t understand.
です。
なぜかと言いますと、understandは
「自然と理解する」ことを表すからです。
ですので、
I don’t understand.
のように、don’t で否定する、つまり
「自然と理解できない」と言うのが普通なのです。
ですので、例えば
「あなたの言ったことが理解できなかった」は
I didn’t understand what you said.
になります。
can’tを使うと特殊なニュアンスが生まれる
それに対して、can’t を使った場合には
「どうしてもできない」
というニュアンスが加わります。
例えば・・・
どれだけ考えても分からない、
価値観が違うから全く理解できない
などといった場合に使いましょう。
can が意味するのは「可能性がある」ということ。
(だから「できる」と「かもしれない」という2つの意味を持つのです)
I can’t understand.
I couldn’t understand.
は「理解する可能性がない(なかった)」という発言になるため、
ちょっと特殊な意味合いを持つのです。