英語で言えなくて後悔してしまう時は…

 

...英語で言えなくて後悔してしまう時は…


こんなメールをいただきました。

Q.先日、電話に出たら外国人の方でした。
ロイさんの教えの通り、知っている単語を使うことで、
「電話をつなぐ」ミッションはなんとかクリアできました。

でも・・・なぜ May I ~ や Please ~などの
丁寧な表現すらできなかったのか後悔が残ります。

私はどうしてこんなに英語ができないんでしょうか…

知っている単語で表現する。

それは初心者だろうが上級者だろうが一緒のことです。

誰だって、知っている単語を使って表現することしかできないんです。

まず知っている単語を使うことで、ミッションをクリアされたとのこと、非常に素晴らしいことです。

ぜひご自分に拍手をしてあげて下さいね。

 

そして「後悔」してしまう、ということですが、
非常にもったいないことです。

なぜ簡単なことすらできないのか、その理由を知って下さい。

そうしたら、後悔することがどれだけムダなことかお分かり頂けると思います。

 

人間の意識は、
気づくことのできている「(顕在)意識」と
気づかない「無意識」に分けられます。

そして、この宇宙には「無意識が先」という
ルール(順番)があるのです。

 

人間の行動を例に考えてみましょう。

例えば「しゃべる」こと。

誰でも言い間違いをしますよね。

日本語のネイティブでも、日本語を言い間違えます。

それはなぜか?

 

人間の行動はまず「無意識」に行われるからです。

その後で、それが「顕在意識」に登ることで、
「意識する(気づく)」ことができるのです。

 

例えば、そでを引っかけてしまい、水の入ったコップを倒してしまった。

別に頭が悪いとか、運動神経が悪いから倒すわけではないんです。

無意識が先だからなんです。

 

英語で please をつければいいのに、
そんな簡単なことさえもできなかった。

それは無意識の行動だから仕方がないんです。

それを否定したところで、全く意味がありませんし、
前には進めません。

大切なことは、英語を学ぶ時に、頭で理解する
だけで終わりにしないことです。

顕在意識だけで分かった気になっても、
無意識の行動は全く変わりません。

無意識にできるようにならないと、
「できる」ことにはならないんです。

例えば

He have many books.

という英文を見た時に
「have を has にしないと間違いだ」
と指摘できるのは顕在意識です。

でも大事なことは、無意識に

He has…

と言えるかどうかなんです。

(※別に have でも問題ないという考え方もできます)

 

無意識に言えるようになるためのトレーニングを
したことがありますか?

スポーツに喩えるなら、素振りや走り込みのようなものです。

May I ~ や Please ~などの表現が出てこなかった
のであれば、無意識に出てくるようにすればいいんです。

「できなかった」という事実は

「無意識にそれが出てくるような練習が必要だよ」

と教えてくれています。

そのことに気づかせてくれている
貴重なフィードバックなんです。

間違っても後悔するようなものではありませんよ。


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。