こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
レディーガガ主演の映画「アリー/スター誕生」
(原題「A Star Is Born」)を早速見てきました。
私は別に、レディーガガのファンというワケでも
ないですし、どうしても奇抜なファッションや
強烈な個性に今までは目が行っていました。
しかし、この映画を見たら、レディーガガのことが
もっと好きになりますね。
1人の歌手として、すごくいいなと思いました。
映画の中の挿入歌が本当に良かったんですよ。
例えば、ということで2曲ご紹介しておきます。
さて、映画の中で登場した英語のセリフの中で
印象的だったものをいくつかご紹介したいと
思います。
この辺りはBYOB
You know, it’s BYOB around here.
これは、レディーガガ演じるアリーが、
ゲイバーの楽屋で言った一言です。
そもそもBYOBって分かりますか?
Bring Your Own Booze/Bottle/Beer
(お酒は自分で持ってきて)
ということなんです。
ですから、パーティーなどでよく使われる
言葉ですね。
しかし、アリーが一言付け加えます。
Bring Your Own Boobs.
boobs というのは俗語的ですが、
普通の言い方をするならば
breasts。つまり、女性の胸のこと。
ここはゲイバーですから、
You know, it’s BYOB around here.
に日本語訳をつけるならば
「ここではバストは持参するのよ」
みたいな感じでしょうか。
自分の歌は歌わない
ブラッドリー・クーパー演じるジャクソンに
曲を書いたりするのか聞かれたアリーは
I don’t sing my own songs.
と答えます。
この答え方って、ちょっと深いなと
思うんです。
なぜなら、自分で曲は書いているわけです。
ですから、単純にはYESなのですが、
自分の曲は歌わないんですね。
なんか嫌なの・・・
そして、それに対して「なぜ?」と尋ねられ、
アリーはさらにこう答えます。
I just don’t feel comfortable.
これは、私が日本語に訳すならば、
「なんか嫌なの」
くらいにするかもしれません。
comfortable は「快適な」ということですから、
それを否定したら「何か心地よくない」という
ことなんですね。
成功できない理由?
次は、アリーが音楽業界のいろんな人から
言われたことについてのセリフです。
Almost every single person I’ve come in contact with in the music industry has told me that my nose is too big and that I won’t make it.
(音楽業界で私が会ったほとんど全ての人が、私は鼻がデカいから成功できないと私に言ってくるの)
このセリフが
印象的だった理由は、
「鼻がデカいから成功できない」
という無茶苦茶に聞こえる理由です^^
なお、
come in contact with
はとても使える表現ですし、
make it
は「成功する」という意味で
使われるイディオムのような
ものですね。
こんな気持ちは初めてよ
これはアリーのセリフで、字幕には
「こんな気持ちは初めてよ」
と表示されていました。
しかし、耳から聞こえてきた英語は
ちょっと違ったのです。
I don’t feel this way about everybody.
not … every という語順になっていますので
文法的には「部分否定」になります。
直訳するならば、
「この気持ちは、誰に対しても感じるわけではない」
ということですね。
つまり、遠まわしに、
「あなたに対して特別な気持ちを抱いている」
ということを表現しています。
心の空白を埋めるのに疲れていない?
そして、最後にご紹介したいのは、
映画「A Star Is Born」の主題歌「Shallow」
(邦題は「シャロウ ~『アリー/ スター誕生』愛のうた」)
の中のフレーズです。
Tell me something, boy
Aren’t you tired trying to fill that void?
void という単語が、boy と韻を踏むために
/d/ の音が発音されていないため、
なかなか聞き取りづらいかもしれません。
void というのはここでは
「虚空」や「ぽっかり空いた穴」といった
意味合いですね。
Are you tired…?
であれば「疲れた?」という普通の質問
ですが、ここでは
Aren’t you tired…?
ですから「もう疲れたんじゃない?」
という感じで、疲れているのを分かった上で
質問しているような感じがしますね。
さて、最後にその主題歌「Shallow」を
ご紹介して終わりたいと思います。
すごく良い曲ですよ!