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こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤ロイです。
私がよくいただく質問の1つが
「リスニングはどうしたらよいですか?」
というものです。
本日は、企業さんでの講座のお話をいただきまして、
神田神保町にある株式会社FISソリューションズ様にて
英会話の講座をやらせていただきました。
そして、最後のQ&Aの時間でいただいた質問が
リスニングに関するものでした。
リスニングは、英語をたくさん聞けば上達するのでしょうか?
また、聞き流す教材は効果があるんですか?
日本人が英語リスニングを苦手とする理由
リスニングを熱心にやっている方はたくさんいらっしゃることでしょう。
そういう方々にぜひ知っていただきたい事実は、
ただ英語をたくさん聞いても、残念ながらなかなかリスニング力は上がらない
ということです。
私も本当は「リスニングはこうすれば簡単ですよ」……などと言えたらいいのですが、
残念ながらそんな風にお茶を濁すことができません。
リスニングというのは、英語ができるようになりたい日本人の方にとって、
「真剣に向き合って克服しなければならない課題」
だと言えるからです。
日本語は、英語と比較すると音が少ないです。
母音は、日本語にはもちろん「あ・い・う・え・お」の5つのみ。
しかし英語では、その倍以上存在します。
(様々な数え方がありますが、少なくとも10個以上あります)
また、以下の子音に関する表をご覧ください。
日英の子音表
青く塗ってあるところが「日本語にはない音」や「日本語ではあまり区別しない音」。
(日本語は、そもそも「紛らわしい音」を排除してある言語なのです)
つまり、英語と比較したときに日本語はその分だけ子音が少ないのです。
音が少ないと一体どうなるのか?
分かりやすいように、ちょっと例え話をします。
「ご飯を食べる」ことをちょっとイメージしてみてください。
日本では「お箸」を使って食べますよね。
でも、西洋の人たちは「フォーク」などを使います。
その結果、「お箸」を使う方が「フォーク」を使うよりも
手先が「器用」になりますよね。
さて、リスニングに関しては、音が少ない日本語で育った日本人は、
音声を聴き取ることに関して「フォーク」を使っているようなもの。
そして、英語をはじめとする様々な外国語がネイティブの人は
「箸」を使っている――つまり、根本的な「音への意識」が違うのです。
リスニング力を高めるためにまずやるべきこと
リスニングができるようになりたいから、英語をたくさん聞く――。
もちろん、英語を聞くことは大事なことですし、「まずやってみる」というのは素晴らしい姿勢です。
ただしその前に、もしくは少なくとも同時に、やらなければいけないことがあります。
それは「音への意識改革」です。
英語のリスニングにおいては、「フォーク」を「箸」に持ち替えるような、耳の意識改革が欠かせません。
先ほども言いましたように、日本語は音が少ないです。
つまり、英語には日本語にない音がいくつも登場するということ。
ですから、
カタカナに置き換えるのをやめ、発音を練習する
ことが必須です。
英語をカタカナに当てはめている限り、リスニングは永遠にできるようにはなりません。
フォークから箸に持ち替えない限り、小さな豆は掴めないのです。
英語を聞き流しては絶対にダメな理由
「英語に慣れるためにたくさん聞いている」「聞き流している」という方も多いのではないでしょうか。
絶対にやってはいけないのは、ただ聞き流すことです。
なぜなら、日本語にない音を聞き流してしまうと、脳が「雑音」として処理することが分かっているからです。
雑音をいくら聞いたところで、リスニング力がアップするはずがありませんね。
英語は真剣に聴く――。
それがリスニング力上達のための絶対条件です。
リスニングの題材を選ぶときのポイント
では、どんなリスニングの題材を使えばよいかですが、
基本的には何でも大丈夫です。
自分が興味を持てるもの。
何回も聴きたくなるものを選んでください。
ただし、音楽が好きだから洋楽……というのはちょっとオススメできません。
歌になってしまうと、リズムなどが特殊な場合が多いからです。
もう1つ、絶対に選んではいけないものは、
スピードをとても遅くした手加減音声です。
理由は長くなるので割愛しますが、
手加減された教材で勉強すると上達度合が鈍りますのでご注意ください。
そして、題材を選ぶ際の絶対条件が1つあります。
それは「文字起こし(スクリプト)」がついていること。
なぜなら、聞き取れなかったところはきちんと確認する必要があるからです。
そして、その箇所を何度も何度も繰り返し聴くことが大切だからです。
リスニング中に絶対にやってはいけないこと
そしてもう1つ、リスニングのトレーニングをしている時に
やってはいけないことが1つあります。
このことは『頑張らない英語学習法』の中でお伝えしていますが、
衝撃を受ける方が結構いらっしゃいます。
絶対にやってはいけないのは
「意味を考えながら聞くこと」
です。
いまこれを読んで、
「意味を考えなかったら、何を考えながら聞くの?」
と疑問に思われた方もいらっしゃるでしょう。
何も考えません。
音だけに集中するんです。
さきほど「真剣に聴く」ことがリスニング上達のための
絶対条件だとお伝えしましたね。
でも、意味を考えてしまった瞬間に、耳への集中が甘くなり、
私が上で伝えてきたことが全てムダになってしまいます。
脅しのように聞こえたらごめんなさい。
でも、人間の脳はそういう仕組みになっているので、
意味を考えたら音には集中できないのです。
もう少し説明を加えるならば、
「意味を考える」というのは、リーディングでやるべきことです。
英語を耳で聞くリスニングには、
「音を聴き取る」という側面(純粋な意味でのリスニング)と
「意味を理解する」という側面(リーディングに相当)が
あります。
この2つをちゃんと分けて練習・トレーニングをすることが
リスニング力UPのためには絶対条件なのです。
英語リスニングの正しいやり方&考え方に関する動画
言語学や脳科学的な見地に基づいた、
英語リスニングの正しいやり方や考え方について
語った動画がありますのでシェアしたいと思います。
この英語音声が聞き取れますか?
【英語リスニングの秘訣ダイジェストShort ver.】(4分間)
なお、リスニング問題の答え、および動画の続き(完全版、約2時間)は、こちらのサイトより無料でご覧いただけます。
英語リスニングの正しいやり方&考え方
<内容(14分32秒)>
・英語の母音は日本語の2~4倍ある
・日本語は「紛らわしい音」を排除した言語
・英語を聞き流すとどうなりやすいか?
・リスニングで重要な2つのポイントとは?
・多くの人が英語をたくさん聞きすぎ!?
・リスニング中に推測してはいけない
・実は「This is…」さえも聞き取れない人が多い
・リスニングの3ステップ
・多くの日本人がやってしまう間違ったクセとは?
↓↓↓
最後に:リスニング方法に細心の注意を
この記事では英語のリスニングに関して、特に重要なポイントをお伝えさせていただきました。
ちょっと難しいと思われた方もいらっしゃるでしょうが、
いろんな問題が絡み合っていますので、確かに難しい問題なのです。
ですがこれは、日本語脳で育った我々にとっての宿命です。
難しい課題ではありますが、正しい意識を持ち、正しいやり方で
耳のトレーニングを行なえば必ずクリアすることができます。
ニュース英語や、ネイティブの会話、映画や海外ドラマを
字幕なしで聞き取ることも決して夢ではありません。
ただし、そこにたどり着くためには、ただ聞き流したり、
漫然とリスニングをしていてはダメなんです。
また、意味を考えることが既にクセになってしまっている――
という方もいらっしゃるでしょう。
その場合には、意味を考えないようにしたり、音への意識を
高めるためのトレーニングが必要になってきます。
私はイングリッシュ・ドクターとして、日本語脳で育った
日本人のために、正しいリスニング方法を身につけられる
トレーニング教材を数年前に開発しました。
リスニング力を本気で高めたい方はぜひチェックしてみてくださいね。