eachとeveryの後の名詞はなぜ単数形にするのか?

 

...eachとeveryの後の名詞はなぜ単数形にするのか?


every という単語の後は、名詞が単数形になります。

でも、every というのは「全部」を表す言葉ですよね。

every day といえば「毎日」
everybody といえば「全員」

どうして複数形にならないか知ってますか?

everyの後が単数になる理由

every という単語は「全て」を指しますが、

○ ○ ○ ○ ○

という【個別の存在を意識した上で】全てを指します。

例えば、every day(毎日)というのは

月 火 水 木 金 土 日

のように、1つ1つの曜日を意識した上で全てを指すのです。

だから every の後は単数になるんです。

 

allは個々の存在を意識しない

それに対して、all はそういうものなしに「全て」を指します。

ですから例えば
all day
という表現は
「a day」の全部を指すから
「1日中」という意味になるのです。
 

 
every と all の違いが分かりやすい
例文を考えてみました。
 
同僚の家に遊びに行ったら、壁一面に本がありました。

“Have you read them all?”
(これ全部読んだの?)

“Yes, every one of them.”
(うん、1冊残らずね。)

日本語もニュアンスを合わせた「超訳」を付けましたが(笑)、
訳語は参考程度にとどめておいて下さいね。

訳なんてどうでもいいんです。

【視点の違い】を感じて下さい。

 

eachはeveryに近いが、さらに・・・

では次に each。

each も every と同じく、後ろに来る名詞は単数形になります。

each の意味合いは every に近いのですが、each の場合には

○ △ ■ ◎ ▼

のように、さらに「それぞれの違い」を意識します。

だから「それぞれ」という日本語に対応することが多いです。

Live every day like it’s your last.
「今日が最後というつもりで、毎日を生きなさい。」

Live each day like it’s your last.
「今日が最後というつもりで、一日一日を生きなさい。」

これも「超訳」を付けておきましたが、視点の違いを感じて下さいね。

every でも充分、それぞれの「日」を意識しています。
でも、each の方が、一日一日の個別性を感じませんか?

もう少し例を出しておきましょう。

I enjoy every moment of my life.

I enjoy each moment of my life.

I enjoy each and every moment of my life.

最後の each and every というのは1つ1つをとても強調している表現です。

P.S.

因みに「視点」というのは、うまい訳をつけるときのポイントだったりします。


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。