意識の水面下で何が行われているのかを垣間見せてくれるような
エピソードが満載で、どんどんページをめくってしまいました。
この本のタイトル
『Power of Thinking without Thinking』(考えずに考える力)
というのは一見矛盾に感じますが、この本を読んでいくと、
その深い意味がよく理解できます。
なぜこの本を読もうと思ったかといいますと、ネットビジネス界の
大御所、石田 健さんがメルマガで紹介をしていたからです。
本当に読んで良かったと思える、とても勉強になる本でした。
Blink というのは「瞬き(まばたき)」。
そのくらいの短い時間の中で、人は無意識に”考え”、物事の判断をしているのです。
意識の水面下で実際に何が行われているのか?
それを垣間見せてくれるようなエピソードが満載で、
どんどんページをめくってしまいました。
例えば、彫刻の真贋(しんがん)を一瞬で判断するキュレーター。
テニスを見ていてサーブ直前にダブルフォルトが分かるという人。
本番最中に即興で劇を作り上げていく俳優達。
(↑これは実際に見てみたいです!)
犯人に対して銃を撃つときの警官、などなど。
この本では、意識の水面下で行われる「思考」や「直感」について、
いろんな側面からアプローチを試みています。
例えば、差別のように偏見として身に付いているもの。
男女差別や、人種差別というのは、本人に全くその気がなくても、
無意識に脳の奥で行われている!と言われて、あなたは信じますか?
(信じられない方や、詳しく知りたい方は是非読んでみて下さい。)
他にも例えば、無意識の知性が働かない状態に陥る場合。
アメリカなどで時々、白人警官による黒人の虐殺みたいな事件が起こりますよね。
そういう事件は大体が人種差別が原因だと思われているふしがあります。
だから黒人の大暴動になることもたまにあります。
でも、それは人種差別などとは関係ないらしいのです。
#黒人だから危険な可能性が高い、といった程度の人種差別は
#無意識に持っているかもしれませんが、それは別の話。
実際の本質は、物事の判断が正しくできないような状態に
陥ってしまうことだと、この本は書きます。
それにより、普段なら無意識の知性によって直感的に分かるようなことも、
見えなくなってしまう(見間違ってしまう)のだと。
Blink に出てくる英語のレベルとしては、やや難しいです。
スポーツ、警察や軍隊、大学での研究や、美術など、様々な
エピソードが出てきますので、いろんな分野の結構難しい単語が
出てくるかもしれません。
特に一部、顔の筋肉の話とかが出てきたり。
(↑理解する必要は全くないですが。私も当然読み飛ばしました。)
でも、非常に読み応えのある本ですので、内容に興味を持った方は、
是非挑戦してみて下さい。
絶対に損はしませんよ。
P.S.
ところで、著者のマルコム・グラッドウェルさんがこの本を書く
キッカケになったエピソードというのが笑えます。
彼はある時、髪を伸ばしたんだそうです。
10代に戻ったようなつもりで。
そうしたらなんと、レイプの犯人と間違えられたそうです。
これぞまさに第一印象(ということはblink)の威力ですね。
Blink – Power of Thinking without Thinking