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■ネイティブスピーカーの持つ英語感覚を身に付けること
「ネイティヴのように、英語を自在に使いこなせるようになりたい。」と誰しもが思うでしょう。
では、ネイティブスピーカーの英語感覚を身に付けるのは、難しいことでしょうか?
私ロイはそうは思いません。
むしろ、日本人の多くの人が取っている方法(受験文法とか、単語の暗記)で英語を身に付ける方が断然難しいとさえ思います。
言語というのは生き物ですから、無機的な暗記で使いこなせるようになるほど、底の浅いものではないのです。
さて、ネイティブスピーカーの持つ英語感覚を身に付けることは、一昔前よりも簡単になりました。
その理由は、大西泰斗(おおにし・ひろと)先生が体系的にまとめているからです。
(※大西泰斗先生は東洋女子短期大学の教授で、Paul McVay(ポール・マクベイ)先生(麗澤大学助教授)との共著で、多くの優れた本を出しています。最近はNHKでもご活躍。)
大西泰斗先生のネイティブスピーカーシリーズは、シリーズ全部で30万部以上(2006年の時点で)売れているという英語本ですが、それだけ売れて当然というか、むしろもっと売れるべきものです。
はっきり言って、英語を学ぶ日本人が全員読むべきとさえ思います。
ネイティブスピーカーシリーズの中でも、私ロイが特にお奨めしたいのは「ネイティブスピーカーの前置詞」ですね。
また、NHK出版から大西泰斗先生が出した「英会話をこわす~感覚による再構築」は、日本の英語教育に一石を投じる意欲作です。
文法の本ですので、難易度はやや高いですが(受験文法よりは断然易しいですよ。)、大西泰斗先生の英語に対する深い愛情を感じる一冊です。
■種をまきましょう
では、大西泰斗先生の著書を片っ端から読めば、ネイティブスピーカーの感覚が身につくのか?というと、そんなことはありません。
まあ、大西泰斗先生のちょっと変わったジョークのセンスは理解できるかもしれませんが。(笑)
本を読むだけで身につくわけではありません(それ程難しいことではありません)が、時間は少しかかります。
そうですね、一言で喩えるなら「種をまく」ようなものでしょうか。
まずは広い大地を想像してみてください。
そこに燦々(さんさん)と太陽が輝いています。
さて、どうやって太陽の光(エネルギー)を採り入れますか?
■従来の英語学習は太陽光発電
従来の英語学習(受験文法や単語の暗記)は、太陽光発電のためにソーラーパネルを置くようなものです。
ソーラーパネル式の勉強のやり方だと、(日本語が助けになりますので)置いた直後からある程度の働きをしてくれます。
しかし、ソーラーパネルを地面に敷き詰めること自体も、すごい労力とコストが必要でしょう。
故障して(忘れて)しまう確率も低くはありませんし、その修理も要ります。
あとはどれだけ隙間なく、敷き詰められるかですよね・・・はっきり言って、気が遠くなります。
■ネイティブの感覚を身に付けることは光合成
それに対して、ネイティブスピーカーが持つような、英語の正しい感覚を身に付けることは「光合成」(photosynthesis)です。
まずは種をまきます。
最初は地面が固いかもしれないので、少し耕してやる必要はあるでしょう。
あとは英語のシャワーです。
種から芽が出て、すくすくと成長していきます。
少し時間が経てば、ソーラーパネルを楽々と追い越してしまうでしょう。
その後も、さらに種をまいたり、手をかけてあげることで、勝手に成長していくようになり、どんどん生い茂り、最終的には大地を緑で包んでくれるようになるのです。
もちろん、広い大地を緑でいっぱいにすることは、時間もかかりますし、相当の努力も必要でしょう。
しかし、ソーラーパネル以上の働きをするくらいまで、草木を育てることは、それほど難しくはありません。
(既にソーラーパネルがある程度設置してあると、その撤去にも少し時間がかかるかもしれません。)
有機的に緑が広がっていく光合成を始めたい方、光合成の速度や効果を高めたい方には、大西泰斗先生の本や教材がとてもオススメなのです。
■大西泰斗先生の本がオススメな理由
大西泰斗先生の本を読むとですね、まずは種をまくことができます。
さらに、その種から芽が出るのに充分な解説や用例を提供してくれるのです。
ネイティブスピーカーシリーズなんて、その代表的なものですね。
ただ、Amazonの書評などを見ると、説明が足りないだの、そういった反応もあるかもしれません。
詳細な解説を求める人にとっては、確かに物足りないところもあるかもしれません。
しかし、詳細な解説なんてものは本来、光合成の邪魔なんですね。
「ネイティブスピーカーの感覚」と先ほどから繰り返していますが、身構えるほどのものではありません。
日本人には既に「ネイティブスピーカーの日本語感覚」が備わっているんです。
「ネイティブスピーカーの英語感覚」を理解するためには、日本語感覚をちょっとチューニングしてやれば済むんです。
そう、日本人のネイティヴは、既に日本語については緑で潤った広大な大地を持っていて、そこで光合成をたくさんやっているんですから。
だから、種をまいて芽を出すところまでを、大西泰斗先生は手伝ってくれるのです。
それ以上、日本語で光合成できる読者に対して、何を言う必要があるのでしょうか?
■さあ光合成を始めましょう
先ほど、大西泰斗先生のネイティブスピーカーシリーズについて「英語を学ぶ日本人が全員読むべき」と書きましたが、光合成をやらないことは、大変な苦行なんです。
そんな道を多くの人間に歩かせているのが、今の日本の英語教育の問題です。
さあ、光合成を始めましょう。
まずは種をまきましょう。
ソーラーパネルが反射する太陽光ではなく、豊かに生い茂る緑から溢れる木漏れ日(こもれび)に包まれようじゃありませんか。