Awakening the Heroes Within(中級以上)

 

...Awakening the Heroes Within(中級以上)


『Awakening the Heroes Within』は私の心のバイブルです。

Awakening The Heroes Within

 

私がどうしてこの本を買ったかといいますと、神田昌典氏の
『お金と英語の非常識な関係』
で紹介されていて、是非読まねば!と思ったからです。

(その本には「人生には、富と名声を手放さなければならないタイミングが
あることを教えてくれた。」と紹介されていました。)

■心理学の本?

この本の分野を何と言えばいいのかよくわかりませんが、心理学なんでしょうか。

人間の心とか、精神的な成長といったことに少しでも興味があるならば本当にお奨めです。

(つまり、それに全く興味のない人なんてほとんどいないと思いますので、
できたら万人に読んで欲しいと思うくらい、良い本です。
ただ、日本語に翻訳されることはあるのでしょうか・・・)

ちょっと内容についてご説明しますね。

■人間の精神的な成長のステージ

人間の精神的な成長には3つのステージ(Ego、Soul、Self)があるんだそうです。
そして、人間は12のarchitype(原型?)で構成されているんだそうです。

architype というのは、私なりに説明すると、人間の心を構成する要素のようなものです。

具体的にどういったものがあるかというと以下です。

Egoステージ:Innocent、Orphan、Worrior、Caregiver
Soulステージ:Seeker、Destroyer、Lover、Creator
Selfステージ:Ruler、Sage、Magician、Fool

(おっ、何も見ずに全部きちんと書けました。)

それぞれのarchitypeが成長していくことで、精神全体が成長していくということです。

■architypeの例(Innocent)

例えばInnocent。

最初(子供の頃)は純粋に人を信じますよね。
そして、裏切られることによって傷つきます。
でも、それでも人を信じたり、楽観的になることができる。

そういったことが一言で言った場合のInnocentの成長なんだと私は理解しました。

ただし、成長するだけでなく、悪い方に出ることもあります。

悪い方に出るというのは、例えば
・自分では何も考えずに人の意見を鵜呑みにする
なんて場合ですね。

そのような感じで、12個のarchitype全てにおいて、悪い出方があるのです。

なお、これは、それぞれのarchitypeに長所と短所があるという意味
(例えば、よく言えば「素直」、悪く言えば「単純」のような表裏のこと)
ではありません。

良い方に出て「成長」していくか、それとも悪い方に出ていくか、
という話です。

■3つのステージについて

また、3つのステージについても簡単に説明しますと、
Egoステージでは、自我の確立をします。

自我というのは、自分と他人とをきちんと区別するということです。
そして他人との(依存ではなく)共存の関係を作ることです。

次のステージがSoulですね。

ここでは、自分の内面と向き合います。
例えば上を目指すことや、自己変革、愛情、自分の人生を生きることなどが含まれます。

そして最後のステージがSelfです。
ここは、精神の調和がとれ、自己実現に向かう段階です。

「じゃあSelfまで行ったらどうなるんだ?」と思われるかもしれませんが、
3つのステージを登ったらハイ終わり、ではありません。

Ego → Soul → Self → Ego → Soul → Self → Ego → Soul → Self → …

のように、これらのステージを繰り返し、少しずつ成長していくのです。

■Awakening the Heroes Withinがお奨めな理由

さて、この本で解説されているのは、こういったステージの話や、
それぞれのarchitypeの話などが主なのですが、
この本をお奨めする理由は、単純にこの本が素晴らしいと思うからです。

読んでいて、非常にたくさんのことを考えさせられます。

読む人によって、そのときにいるステージが違いますが、より多くの人が
理解できるように、様々な例を出したり、別の表現をしたりしてくれています。

たぶん、私が2~3年後に読めば、全然違う真実が見えるのでしょう。

また、非常に深い、本質を突いた言葉がさらっと、しかもたくさん書かれています。

内容に関しても、「そんなのウソだ」などと感じるようなことは全然なく、
「そうそう、そうなんだよ。」と激しく同意したくなるようなことが
たくさん書いてありました。

中にはあまりよく理解できないこともありましたが、それは単に私が
まだそのレベルに達していないからなのだと思います。

私は読んでいる間に、筆者のCarol S. Pearsonさんが一体何者なのか、
何度も疑問を持ちました。
そのくらい、他に類を見ない素晴らしい本だと思っています。

と、べた褒めをしていますが、最初に書いたとおり、
(英語が読める)万人にお勧めしたい本です。

■Awakening the Heroes Withinの英語について

英語についても少し書いておきますと、英語自体は難解ということはありません。
留学中に読んだ、大学の教科書を思い出しました。
ある程度の語彙力があれば、読める本だと思います。

ただし、時々出てくる例が、例えば神話だったり、物語だったり
しますので、よく分からないものも多かったです。
文化的・宗教的な前提が違いますからね。

でも、そういった例は飛ばして読んでしまっても、
内容を理解する上で全く妨げにはならないと思います。

理解できるところから読んでいく、といった読み方もできる本だと思います。
少しくらい英語に自信がなかったとしても、辞書を片手に読む価値のある本だと思います。

■最後に

私はこの本を読んだお陰で、今後の人生が変わると思います。

7割くらいを読んだところで、それまでの箇所をきちんと理解しないと
ダメだと感じ、何度も見返して、メモを取り、理解を深めました。
(だから上で12のarchitypeを全部書けました。)

こういう読み方をしたくなった本は、私の人生の中で初めてです。

私は「EQ」や「7つの習慣」にもいろいろと影響を受けましたが、
「Awakening the Heroes Within」は私の心のバイブルです。

あなたの人生もきっと変わりますよ。

 

Awakening the Heroes Within

Awakening The Heroes Within


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。