[書評]アメリカのソース王、吉田潤喜会長の最終傑作

 

...[書評]アメリカのソース王、吉田潤喜会長の最終傑作


こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
私はラジオで「西澤ロイの頑張らない英語」
というコーナーを2014年からやっています。
 
おかげ様で今月までに118回放送していますが、
昨年4月に迎えた記念すべき第100回目に
快くご出演くださったのが吉田潤喜さんです。
 

 
吉田会長は、アメリカでは、イチローと並ぶ
超有名人。世界的に販売されている
ヨシダソース(ヨシダグルメのたれ)を
開発され、アメリカンドリームを体現した方です。
 
そんな吉田会長が、「これが最後の本」だと
仰る書籍が先日出ました。
 
それが、
『人生、金儲けやない、人儲けや!』
です。
 

(この本は、アマゾンや書店などでは販売
されておらず、リンク先のオンラインショップ
のみの販売となっております)
 
この本は、タイトルにある「人儲け」について
語った「ノウハウ本」ではありません。
 
むしろ、吉田会長の自伝に近い形で、
ジェットコースターのような人生で起こった
様々な出来事について語りながら、様々な
人生のヒントを教えてくれる本です。
 
ただし吉田会長は、Newsweek誌において
「世界で最も尊敬される日本人100」に
選出され、上に書いたように、アメリカでは
イチロー級に有名な、大成功者であり、
4回も破産の危機に陥った経験もおありです。
 
ですから、学べるポイントはたくさん
あります。
 
ただし・・・
 
正直言って、吉田会長の数々のエピソードは、
「分かります~」という感じには、あまり
ならないかもしれません(笑)。
 
ちょっと遠い世界の、まるでTVで見ている
ようなお話に感じられるかもしれません。
 
例えばですが、僕自身は昔、転校生だった
こともあり、いじめられたことがあります。
さらにいろんな要因が重なって、劣等感が
非常に強く、自分に自信を持てずに育ち
ました。
 
そして吉田会長にも、いじめられ
(そうになっ)た過去がおありです。
 
4歳の時に片目を失明。
ですから障害者としての差別を受け
ましたし、差別はそれだけではありません。
 
でも・・・!
 
吉田会長はそこで「こんちきしょー魂」を
発揮して乗り越えるだけでなく、京都では
有名な「ごんたくれ(≒不良)」として
名を馳せられたそうです^^
 
ですから、吉田会長のお話を聞いていて
得られるのは、どちらかと言うと
「共感」よりも「刺激」なんですよ。
 
吉田会長のすさまじい「エネルギー」が
一体どこから来るのか?
 
それが、本書を読んで、少し分かった気が
しました。
 
P126~P137で「エネルギーの法則」
という見出しで、ご本人が解説してくれて
いて、個人的にも「なるほど」と思いました。
 
ただ、それだけではありません。
 
本のタイトルに「人儲け」と書いてありますが、
これは別に、「人脈を作ろう」とか、
「人を利用してやろう」とか、
そういうわけではありません。
 
そうではなく、人をただ愛し、正義感が強く、
たまには調子に乗って失敗しながらも、
本気で恩返しをしようとする男性の、
熱い人生が描かれていました。
 
日本からアメリカに渡り、文字通りに
「裸一貫」で挑戦しているときに、
助けてくれた人。
 
奥さんと結婚し、ようやく誕生した
長女さんの命を救ってくれた病院の
医師たち。
 
ピンチの時に、救いの手を差し伸べて
くれた恩人。
 
そういった人たちを裏切らないように、
そして、恩返しをできるように、
懸命に生きることが大切
なのだと
いうことを、この本は教えてくれます。
 
そうやって人を大事にすること。
目の前のことを大切にすること。
 
その結果として、人から愛され、
ビジネス的な成功にもつながる――
ということを、吉田会長は「人儲け」
と表現されているのではないかと
思いました。
 
この本は、
・やりたいことがあるが、行動できずにいる人
・他人と自分を比べて、自信を失ってしまう人
・夢が持てずにいる人
・高い意識を持っている人
・人生の成功やアメリカンドリームに興味がある人

などにオススメです。
 
『人生、金儲けやない、人儲けや!』
 

(この本は、アマゾンや書店などでは販売
されておらず、リンク先のオンラインショップ
のみの販売となっております)
 
P.S.
あとがきの一節に、こう書いてありました。
 

日本人は一度、外に出てみたらいい

 
これは本当にその通りだと思います。
僕も、大学2年次に1ヶ月、そして、
大学4年次に1年間、アメリカに留学を
することで、ものすごく人生が広がりました。
 
ただ、英語がハードルになってしまう人も
少なくないでしょう。
 
そのことに対して、英語が全くできない状態で
アメリカに渡った経験がおありの吉田会長が
こう書いていらっしゃいます。
 

コンプレックスというのは、一種の病気だ。病気は治せる。
だから、英語ができないというコンプレックスも必ず直せる。

  
僕も全く同じ考えですし、英語ができない
原因である「英語病」を治すのが
イングリッシュ・ドクターである僕の役目。
 
一度外に出て、挑戦したいと思っている
日本人の人たちを応援しています。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。