小説『論理ガール』は数学の本当の使い方を、堅苦しくない形で教えてくれた

 

...小説『論理ガール』は数学の本当の使い方を、堅苦しくない形で教えてくれた


こんにちは、西澤 ロイです。
あなたは、数学にどういうイメージを持っていますか?
 
いったい何の役に立つのか分からない、
様々な公式を山ほど暗記しなければならない
苦行でしょうか。
 
それとも、決められた答えがあり、そこに
“正しい方法”でたどり着けない限り
×がつけらてしまう、いやらしい問題の数々……。
 
 
世の中の約6割の人が「数学嫌い」らしいのですが、
それはもしかしたら
 
「数学というものの本当の姿」
 
を知らないから……かもしれません。
 
そんなことを、小説『論理ガール』を読んで思いました。
 

 
『論理ガール』を書いたのは、ラジオ番組で毎週
ご一緒している「大先生」こと、深沢真太郎氏。
 
ラジオ番組は、毎週木曜日夜8時(木8)に放送
されている「めざせ!スキ度UP」です。
 
深沢氏は、ビジネス数学の専門家です。
 
「ビジネス数学」とはどういう意味か?
 
私ロイの理解している範囲でお伝えしますと、
対になっているのが「学校数学」です。
 
 
学校での数学は、決められた答えのある問題が
出てきて、それをひたすらに解いていきます。
 
正解が正しく導き出せれば○であり、
できなければ×になります。
 
 
しかし、ビジネスや実生活で使う数学は
違うのだそうです。
 
特にビジネスが分かりやすいと思いますが、
「正解」なんてものはありませんよね。
 
正解なんて存在しない課題や難題が、
日々たくさん立ち現れてくるのが人生
というものです。
 
 
そういった“正解のない”課題を解決
するために実は「数学」が役に立つ――
と大先生は言うのです。
 
彼はそれを「ビジネス数学」と呼ぶことで、
「学校数学」と区別しています。
 
ただ、そういう使い方こそが
数学の本質なのでしょう。
 
 
小説『論理ガール』に出てくる課題は
 
・人間関係
・お金
・仕事
・遊び
・恋愛
 
などです。
 
これらに対して、数学的なアプローチをする
ことで、課題を解決することができる……
という新しい世界を『論理ガール』は見せて
くれるのです。
 
 
なお、数学がいきなり答えをくれたりする
わけではありません。
 
数学を使うことで、目に見えなくて
捉えどころのないモノを、うまく取り扱える
ようになります。
 
それにより、それを「仮説」として、
他人と話し合うことができるようにする、
いわば“コトバ”なのです。
 
 
・良い人間関係とはどういう関係?
 
・多くの大人が仕事に疲れているのはなぜ?
 
・お金ってそもそも何なの?
 
・アーティストのライブに行くのと、
DVDを買うのはどっちがいい?
 
・恋愛って何のためにするの?

 
 
そんな様々な人生の問いに対して、
数学が役に立つ――。
 
個人的にはそんなこと、考えたことも
なかったですよ(笑)
 
 
でも私たちは毎日、数字(数学ではなく数字)
をコトバとして使っているんですよね。
 
例えば買い物をするときに、
「108円です」
のように、数というコトバを使っている
からこそ、何の誤解も生むことなく
会話が成立しているんですよね。
 
 
数字はコトバであり、数字で成り立つ
数学もコトバである。
 
そのことが分かると、数学を嫌いなままで
いるのって心底もったいないなと思うように
なりました。
 
だって、日常生活の中でとっくに
毎日使っているんですから。
 
 
深沢大先生の『論理ガール』は、
そんな数学の、本当の使い方を
堅苦しくなく伝えてくれる小説です。
 
個人的には、もっと人間味のでてきた
詩織ちゃん(表紙の女の子)を続編で
読んでみたいですね^^
 
小説『論理ガール』

 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。