「雨が止む」ことを「let up」と言うのはなぜ?

 

...「雨が止む」ことを「let up」と言うのはなぜ?


こういうご質問をいただきました。

I hope this rain lets up in a few hours.
どうしても、let upで雨なのが止むというイメージが出来ません。

これは非常に良いご質問ですね。

let という動詞を「させる」という日本語訳で覚えている
人が結構いらっしゃいますが、非常にもったいないです!

まず、let の感覚をしっかりと押さえておきましょう。

let は「能動的に何かをさせる」のではなく、
「放っておくことによって、したいようにさせる」

ような意味合いです。

「letは放置プレイ」と覚えていただいても
いいかもしれません。

覚えておくと便利な例文を1つご紹介するなら
I let my hair grow.
でしょうか。

これは「髪を伸ばしている」ということです。

髪は放っておいたら自然と grow しますよね。
そのままにするから let なんです。

ちなみに「強制的に/無理やりさせる」
ニュアンスを持つのは make です。

「make my hair grow」ともし言えるならば、
それは魔法使いかもしれませんね。

 

さて、雨の let up に話を戻します。

大気中の水分が雨となって落ちてくるわけですが、
水分が全部降ってしまうなり、
雨雲が通り過ぎるなりしてしまうと、
雨は自然と止みますよね。

そして、雨粒は raindrops と言いますが
drop = go down ですよね。

だから、雨粒が落ちなくなることは up。

そうやって考えていくと
let up
に対する違和感が減っていくのではないでしょうか。

The rain has let up.
雨が止みました。

雨が止んだ時にはぜひ、英語でつぶやいてみてくださいね。


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。