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先生にbecomeではなくbeだと言われました
先日、大阪での講座を受けてくれた高校生の方から
ご質問をいただきました。
Q.「私はお医者さんになりたい」を
I want to become a doctor.
と書いたら、先生から
「英語ではbecomeではなくbeを使ってwant to beと言うんだ」
と言われました。
なぜbecomeではダメなんでしょうか?
実は、結論から言いますと、
becomeでも全く問題ありません。
I want to become a doctor.
で100%通じます。
さらに言えば、使う状況が違うだけで、
becomeもパーフェクトな英語です。
実はこれが「英語ができるようになるか」を左右する!
これは、2つの意味で非常に重要なポイントを
含んでいます。
納得しながら学べるか、それとも、
よく分からないままに暗記をするか……。
こういう積み重ねが、英語ができるようになるかを
左右することになる、というのが1つ目です。
この後で、じっくりと解説しますので、
英語の考え方をぜひしっかりと理解してください。
そしてもう1つ、「●●ではダメ」という
覚え方は良くありません。
日本での従来の英語教育では
「あれはダメ」「これはバツ」
という減点が幅を利かせていました。
しかし、そうやって英語を学んでしまうと、
間違いが怖くなってしまって、
コミュニケーションが取れなくなってしまいます。
ネイティブスピーカーの考え方とは?
そもそも、become を使わない、というのが
誤りです。
becomeというのは「~になる」という意味ですよね。
例えば、懸命に勉強している学生が
I want to become a doctor.
(医者になりたいんです)
って言うのは自然です。
そして
I want to be a doctor.
のような言い方も自然です。
ただ、なぜbeを使うのか?
というところを疑問に思う
人もいるでしょう。
その答えは、
医者になった後には
I am a doctor.(私は医者です)
になるからです。
ですから、欲しいものは
「be a doctor」
なんですよ。
ですから、
I want to be a doctor.
と言うのです。
補足:to不定詞には「まだしていない」ニュアンスがある
もう少し、補足をしておきましょう。
「want to (do)」をただ「~したい」と
日本語で訳すのではなく、もう少し
感じてみましょう。
want は「欲しい」ですよね。
そして前置詞の to には「矢印」のような、
そこに向かうニュアンスがあります。
(だから「go to ~」で行き先を表わします)
そこから、to不定詞を使う場合には、
「まだしていない」というニュアンスが
出ることが多くあります。
もっと正確に言えば、まだしていない
ことを(本質的に)表わす動詞は
to不定詞を伴うのです。
例えば
・ask(頼む)
・tell(命じる)
・need(必要がある)
・request(要求する)
・order(命令する)
などですが、これらは全て、
まだしていないからこそ、
頼んだり、必要があったり、
命じたりするわけですよね。
さて、toが「まだしていない」
ニュアンスを持つということは
to be a doctor
はこれだけで
「(これから)医者になる」
という意味にも取れることに
なるんですね。
結論:beとbecomeとではどう違う?
では
I want to be a doctor.
I want to become a doctor.
の2つはどうやって使い分ければ
よいのでしょうか?
まず、
I want to be a doctor.
という言い方は、例えば小学生に
「将来何になりたい?」
What do you want to be when you grow up?
みたいに質問した時の答えに
ピッタリなイメージがあります。
それに対して
becomeのほうは「医者になる」
という変化を強調している感じが
します。
ですから、先ほども例に出したように
懸命に勉強している学生が
I want to become a doctor.
(医者になりたいんです)
って言うのは自然です。
また、例えば1年後に医者になりたい
というのであれば
I want to become a doctor next year.
みたいに言えますよね。
とにかく、どちらかを「ダメ」みたいに
考えてしまうのがもったいない発想法ですよね。
どちらも問題なく通じますのでご安心ください。