理不尽な状況を打開する力(『007に学ぶ仕事術』の書評)

 

...理不尽な状況を打開する力(『007に学ぶ仕事術』の書評)


こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
2ヶ月前近くに出版された本で、ずっと気になっていたのですが、今日ようやく読むことができました。
 
『007に学ぶ仕事術』尾藤克之著(同友館)
 
この本は、アゴラ(言論サイト)のコラムニストとして活躍する尾藤さんの、まさに「意欲作」です。
 
このところ「ブラック企業」に関する話を耳にしない日はありません。
過労死やパワハラ、組織を挙げての隠蔽など、いろんな話がいろんなところから、膿のように出てきます。
 
そしてブラック企業に関しては、「辞める/辞められない」みたいな論調が一般的です。
当然辞めるべきだと思う人が多いでしょうが、それができない心理的/経済的な問題があったりします。
 
でも、尾藤さんはそこに新たな「提言」をしている……と私ロイは思うんです。
 
彼が選んだテーマは「007(ダブルオーセブン)」。
 
そう、ジェームズ・ボンドは、どんな仕事も引き受けるのです。
そして、どんな状況であっても……目の前に拳銃を突き付けられたとしても、最後の最後まで諦めません。
 
もちろん、無理は禁物ですし、時には逃げることも大事でしょう。
しかし、人には、引くに引けない状況だってあるはずです。
では、無理難題を突き付けられたり、理不尽なことが降りかかったりした時に、どうしたらよいか?
 
そのヒントが、007から学べるかもしれない……というのが、この本だと思います。
 
もちろん、難しい状況なのですから、本を読んだら「こうしたらいい」というアドバイスが書いてあり、そのまま役立つようなことは、まずないでしょう。
しかし、困難な状況を打開するヒントや、視野を広げてくれるような新たな発想が、この本からきっと得られると思います。
 
007シリーズは第24作まで出ているそうですが、この本の目次に含まれる項目数は24。
尾藤さんは全ての作品をDVDで何度も見直し、ジェームズ・ボンドの孫、「ジェームズ・一郎・ボンド」というキャラを生み出しました。
 
このストーリーは、ビジネス小説として読んでもおもしろいと思いました。
最終章、上司による裏切りを、ジェームズ・一郎・ボンドがどうクリアするかは見物ですよ。
 
↓↓↓
 
『007に学ぶ仕事術』尾藤克之著(同友館)

 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。