西澤ロイがなぜ英語を教えるのか?(1)

 

...西澤ロイがなぜ英語を教えるのか?(1)


こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
最近、僕も少し有名になってきたのか、批判をされたり
するようになりました。
 
そもそも、僕は他の人の教え方を否定したりはしないので、
攻撃し合って敵を作る……みたいなことはありません。
 
ですが、「イングリッシュ・ドクター」を名乗ったことで
批判をしてくる人が出てきています。
 

医者でもないのに「ドクター」を名乗ってるんじゃないよ

 
とか
 

病気呼ばわりはダメでしょう。
有名になりたいからそうしているんだと思いますが

 
とか…。
 
まあ、批判をしてくるのは僕の人柄について
ほとんど知らない人です。
 
友人はむしろ「ドクターというのがロイらしい」と
思ってくれますし、様々な英語病のネーミングも
ホメてくれます。
 
ただ、僕が何を考え、英語を教え、英語の“お医者さん”
みたいな見せ方をしているのかについて語っておくことが
必要だと思いますのでこの記事でお伝えしたいと思います。
 

英語における原体験

今でこそ、新たに出会った人に
「昔から英語はできた/得意だったんですか?」
と聞かれるようになりました。
 
僕が「TOEIC満点」の横に、「英検4級」を必ず書く
ようにしているのは、そういう誤解を生まないためなんです。
 
だって元々、英語は本当にできなかったんですから。
 
中学1年で初めて英語を学んだ時は、
英語が「暗号」に見えました。
 
最初の中間試験では「It’s not hot.」という英文が
全く意味が分からなかったことだけ覚えています。
 
その後はおそらく、数学の問題を解くのと同じような
感覚で、英語をやっていた気がします。
 
英語は非常に興味があったし、そもそも言葉好きだし、
できるようになりたいので、頑張って単語を覚え、
文法を覚えました。
 
そうしたら、テストの点数は取れるようになったんです。
それにより、英語が一応「得意科目」になりました。
 

そもそも劣等感のカタマリだった

これまでの話だけを聞くと、
「なーんだ、最初ちょっとつまずいただけか」
と思う人もいるかもしれません。
 
しかし僕は、もっと手前で大きくつまずいている
人間だと自分では思っています。
 
僕は、できることとできないことの差が激しく、
理解できないことがたくさんありました。
 
英語以前に、日本語でのコミュニケーションで
非常に苦労しましたよ。
 
一言で言うと「空気が読めなかった」わけですが、
何の話をしているか分からずに、話についていけない
ことも日常茶飯事でした。
 
自分も何をしゃべってよいか分からない。
 
だから、ものすごく無口でしたし、間違いなく
今で言う「コミュ障」でした。
 
運動もオンチで、足も遅いし、球技なども下手。
体育は5段階の2しか取ったことがありません。
 
とにかく、苦手なことが多すぎて、普通に
運動ができたり、普通に友達と会話ができたり
している周りの人たちを見て、強い劣等感を
抱いていたのです。
 

英語を専攻しようと決め…

さて、高校に入る頃には、英語は一応
得意科目になっていました。
 
高校では洋楽に出合い、歌詞の意味を分かろうと
さらにやる気が出ました。
 
ただし、僕の根底にあったのは劣等感であり、
何かを極めることで、自分に自信を持ちたかったのです。
 
そのために、何を極めたらいいだろうか……
と考えた末、「英語」を選びました。
 
英語をマスターできたら、きっと自分に
自信が持てるはず――。

 
そう信じて、大学で英語学科に進むべく、
必死に勉強した結果、なんとか獨協大学に
合格することができました。
 

入学直後にガラガラと崩れ落ちた

大学で最初に行なわれたのが、レベル分けの
試験です。
 
これが全てリスニングで、それもナマの英語が
スピーカーから流れてきたのです…。
 
受験でのリスニング問題とは全くレベルが
違いました。
 
僕はほとんど聞き取ることができず、
回答することを早々に諦めました。
 
つまり、得意科目だったはずの英語で
屈辱の「0点」――。
 
レベル分けは当然一番下。
Basicクラスになりました。
 
そして、Basicレベルの英会話の、
初めての授業がありました。
 
これはいろんなところで話している
エピソードですが、ネイティブの先生に
「Do you like swimming?」
と尋ねられ、何も答えられなかったのです…。
 
でも、同じBasicレベルの周りの学生は
結構しゃべれていました。
 
同じ教育を受けてきたはずなのに、
自分だけが圧倒的にできないなんて……。

言語学のおかげでブレイクスルー

そんな私が英語力をブレイクスルー
できたのは、言語学のおかげです。
 
言語の仕組みや、単語のコアにある意味や、
物事の認知など、深いレベルで英語を
見ることができたおかげで、
 
自分に欠けていたスキルを身につける
ヒントがもらえました。
 
それにすがりつくように、必死に勉強
することで、ようやく「英語が話せる」
と思えるようになったのです。
 
その後も、自分に自信をつけたくて
英語の勉強を続けました。
 
アメリカにも1年間留学しましたし、
大学を卒業する時点で、TOEIC満点に
近い英語力を身につけることができました。
 

私が英語を教える理由

ちょっと長くなりましたが、私の原体験
についてお話させていただきました。
 
なぜわざわざこんなお話をしたかと言うと…
 
「英語が好きで得意だから教えている」
というワケではないからです。

 
僕は、英語がうまく理解できずに
つまずいてしまっている人たちの
お役に立ちたいのです――。
 
次回、僕が英語を教える理由について
詳しく突っ込んでお伝えしたいと思います。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。