こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤ロイです。
J-CASTニュースさんで11日に
「日本一オリックス悩ます「バッファローズ」誤読問題
間違い正す「バファローズ警察」出動も…球団の思いは」
というニュース記事が公開され、Yahoo!ニュースや
SNS上でもなかなか話題になっています。
バファローズ誤読問題について
Buffaloesという英語を、球団としては
「バファローズ」
という表記を正式に定めておりますが、
多くの人が
「バッファローズ」
という風に表記・発音してしまう
この問題について、英語教育の専門家
としてコメントをさせていただきました。
なお、記事中では、かなり抜粋されての
掲載となってしまいましたので、
コメントさせていただいた内容の全文を
当ブログで公開させていただきます。
専門家としてのコメント(全文)
結論からお伝えしますと、英語には「ば」と「ばっ」という音の区別がそもそも存在しません。そのため、Buffaloesをカタカナにする時に「っ」をつけるかどうかは個人の感性や好みの問題になってしまいやすいのです。
これは、日本語で「促音」と呼ばれる小さい「っ」の音が、英語には存在しないためです。例えば「it’s」は、カタカナでは「イッツ」と一般的に表記されます。しかし英語で実際には「イッツ」だけでなく「イツ」のような感じで発音されることも多いのです。
これは日本語と英語における根本的な音の構造が異なることが原因です。そして「音節」と呼ばれる音のカタマリの捉え方/数え方も両言語では異なります。
以下にイメージ図を示しますが、英語においてit’s(発音記号で書くと[its])は1音節しかありません。それに対して日本語の世界では「イッツ」は3音節であり、「イツ」は2音節――。別にどちらで表記しても本来構いませんが、英語の音をカタカナで正確に表記すること自体がそもそも困難なのです。
(※あくまでも音を視覚化するためのイメージ図であり、正確さよりも分かりやすさを優先しています)
it’sを「イツ」、appleを「アプル」などと書くと違和感があるかもしれませんが、それは単なる習慣、つまり慣れの問題でしかなく、どちらかが正しい、間違っているという問題ではないのです。
Buffaloesの正式なカタカナ表記が「バファローズ」だというのは、球団による「好み」の問題ですから、残念ながら間違えられてしまうのは致し方ないことです。
編集後記
ということで、実は図までつけてかなり気合いをいれて
コメントさせていただいていたのです^^
このような、英語に関連することに関して、
英語教育の専門家としてコメントさせていただくことは
大歓迎です。
必要な場合、ご相談がおありな場合には
こちらからどうぞお問い合わせください。