「お中元は、いいハム」を英語で言うと…?

 

...「お中元は、いいハム」を英語で言うと…?


電車でこんな車内広告を見かけました。

「お中元は、いいハム」

さて、これを英語にしてください、と言われたらどうしますか?

ここで「~は・・です」を「~ is ・・」にしてしまうのが直訳です。

そうすると
Summer gift is good ham.
のような英文ができてしまうのです。

こういう英文は絶対に作ってしまうことのないよう、ぜひご注意ください。

***

まず日本語の問題ですが、「~は」というのは一体なんだかお分かりでしょうか。

日本人は「主語」だと思っています。
しかし、実際には「主題(テーマ)」を表わしています。

「お中元は・・」と言った場合には、
「これからお中元に関する話をする」
と言っているだけなのです。

しかし、英語における主語とは「動作主」のことなのです。
その意味では、

「お中元は、いいハム」

という日本語には、英語における「主語」も「動詞」もないのです。

ですから、きちんとした英語にするためには、そこを「補完」しなければならないのです。

***

一体主語は誰か? 動詞は何か?
お中元(いいハム)を、誰がどうするのでしょうか?

ここまで言ったらお分かりですね。

「あなたが(ハムを)送る」
とか、
「私が(ハムをお中元として)オススメする」
ということですよね。

そうすれば、前者は
Let’s send some good ham as a summer gift.
Why don’t you send some good ham as a summer gift.

後者は
I recommend good ham as a summer gift.
I recommend that you send good ham as a summer gift.

上記の英文にはあとはネイティブチェックを入れるとして、
こういう考え方をぜひ知っておくと、英語がずっと話しやすくなりますよ。


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。