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こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
このようなご質問をいただきました。
Q.楽しい英語のドラマ/映画を題材にした
画期的な勉強方法/アプリ/教材はありませんか?
うん、そういう教材とかアプリがあって、
楽しく学べ、英語が効率よく身についたら
本当にいいですよね。
その気持ちはよく分かります。
回答その1:残念ながら・・・
ただ、私はイングリッシュ・ドクターとして
真実をお伝えしなければなりませんので、
先に「ごめんなさい」と言っておきます。
残念ながら、そのような「特効薬」は
存在しないんです。
英語のスキル獲得は「筋トレ」に似ている
その理由は・・・専門的になってしまうので
脇に置いておきますが、ちょっと「筋トレ」に
喩えてみましょうか。
(なぜなら英語のスキルを身につけることは
「筋トレ」によく似ているからです)
ガリガリの人がムキムキ・・・とまでは
言わなくても、ある程度の筋肉をつけたい。
一体、何をしなければいけないですか?
もちろん「筋トレ」ですよね。
問題はその筋トレをどうやるか、です。
全身の筋肉を、同時に鍛えることって
できないんですよ。
腕の筋肉(上腕二頭筋)を鍛えたければ
ダンベルを上げたりします。
腹筋を割りたければ、腹筋運動などを
しますよね。
個別の筋肉は、個別に鍛えるのが
一番効率的かつ効果的なのです。
そうやって、強化したい筋肉を
1つずつ、鍛えていくのがスタート
なのです。
さらに、ある程度の筋肉がつくと
複数の筋肉を同時に鍛えるような
トレーニングもできるように
なります。
また、インナーマッスルも強化
しやすくなり、本当の意味で良い
バランスが取れるようになります。
ただし、筋肉が弱い状態でいきなり
複数の筋肉を同時に使うような
トレーニングをやってしまうと
まずいんです。
なぜなら、弱い筋肉(苦手な箇所)を
強い筋肉(得意な箇所)がカバーしよう
としてしまうからです。
そうすると、変なクセがついてしまったり、
場合によっては、体を傷めたりします。
***
さて、英語も一緒で、様々なスキルは、
個別に鍛えるのが一番効率的かつ
効果的なんですよ。
そして、初心者/初級者の方がいきなり
「ネイティブとの英会話」や
「海外ドラマ/映画での学習」
をやろうとするのは注意が必要です。
なぜなら、それは
「複数の筋肉を同時に使うトレーニング」
になりやすいからです。
ですから独学で(効率的に)やろう
というのは無茶ですし、
きちんとした指導ノウハウを持った
プロに直接教えてもらわない限り、
せっかくの情報の多くを垂れ流す結果に
なってしまうでしょう。
回答その2:ここで終わるわけがありません(笑)
英語学習は筋トレに近いという話は、とても大事なので
させていただきましたが、ここで終わってしまうと
「そんなものはありません」
と伝えるだけの残念な記事になってしまいます。
代わりに2つのことをお伝えしたいと思います。
1.そもそもなぜ「楽しい」教材を求めるのか?
ずばり言いますが、「エゴイヤ病」が原因です。
英語が嫌い/苦手で、英語学習を苦しいものだと
思っているから、「楽しい教材」を求める
気持ちが強くなるのです。
だから、私からのアドバイスとしては
「英語が分かるようになる楽しさを見出してください」
です。
人には知的好奇心というものがあります。
分からなかったことが分かるようになること。
知らなかったことを知れること。納得できること。
こういったことに、人は知的な充足感を得ること
ができます。そして、もっと学びたくなるのです。
英語にはいままでそれを見出すことができなかった
最大の原因は「暗記」です。
ワケも分からずに、無理やりに暗記させられていた
(その後、暗記がクセになってしまった)
ことで、英語に対して、本当の意味で「分かった!」
という感情を抱いたことのない人も多いのです。
だから私は、例えば『頑張らない英文法』という
本を書きました。
上記のリンクをたどって、アマゾンでの
レビューをご覧いただければと思いますが、
「他にこんな分かりやすいのは無かった」
「ただ暗記していたことが多かったと気づいた」
「なんとなく理解していたものが納得に変わった」
といったご感想をたくさんいただいています。
英語が「分かる」ようになれば、今までとは
打って変わって、英語が「楽しい」と思える
ようになります。
理解度が高まることにより、英語が
「上達する喜び」も感じやすくなります。
ですから、
「英語が分かるようになる楽しさを見出す」
ことをぜひお勧めします。
2.映画や海外ドラマの上手な活用方法
「独学」をする上で、という前提で、
映画や海外ドラマの上手な活用方法をお伝え
したいと思います。
まず、手離していただきたいものがあります。
それは
「上達へのこだわり」
です。
英語を学ぶ以上、上達しなければ……と考える人が
多いのです。
その気持ちは分かりますが、そうやって自分に
プレッシャーをかけてしまうことによって、
英語が楽しくなくなったりしてしまうのです。
ですから、上達は手離してください。
でも、安心してください。
なぜなら、上達は勝手にするものだからです。
植物が「成長しよう!」などと考えていないけど
勝手に育つのと一緒で、上達する時には上達します。
では、どうすれば上達するか?
答えは簡単。
「好きこそものの上手なれ」ですよ。
ですから、海外ドラマや映画は、
「大好き」なものを選んでください。
そして、まず1つの話/1本の映画に
しぼってください。
ドラマで続きが見たくなる、というのは
そのドラマへの「スキ度」が足りません(笑)
1つにしぼってください。
それで「30分~2時間程度」になるはずです。
あとは、その海外ドラマ/映画を何度も
見てください。
あとは、自分の好奇心に従ってください。
それだけです。
もし、日本語字幕を出して見るだけだったら
やっぱり「スキ度」が足りません。
英語でなんて言っているか、きちんと
知りたくありませんか?
分からない単語や文法があれば、ちゃんと
調べて、細かいニュアンスまで知りたく
なりませんか?
好きなセリフは覚えたくなりませんか?
真似して言いたくなりませんか?
・・・という感じで、好きな気持ちと
好奇心にしたがって、楽しみながら
味わいまくってください。
そうしたら、結果として上達しています。
独学にしては立派な結果が出ると思いますよ。
ちなみに、字幕は出す/消す方がいいとか、
日本語と英語字幕のどちらがいいとか、
そういう「やり方」が気になる人も、
「スキ度」が足りません。
全部やってみたらいいんです。
全部を楽しんだらいいんです。