3日間の「英語感覚漬け」セミナーを開催しました

 

...3日間の「英語感覚漬け」セミナーを開催しました


こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
今年のGWは、元号が令和に切り替わることや、
10連休といったことが話題となっていましたが、
私はずっと「英語感覚」に没頭していました。
 
5月3日~5日の3日間、「英語漬け」ならぬ
「英語感覚漬け」になってしまおう、という
特別講座を開催したためです。
 
1日6時間。
つまり3日で18時間。
 
そうなると資料の枚数も半端なく、
毎日40~50ページの分量がありますから、
準備にも相当時間をかけましたよ。
 
そして、それに見合った、非常に濃い、
有意義な時間となり、ご参加くださった
方々には喜んでいただくことができました。
 
開催報告として、内容などについて
簡単にレポートをさせていただきます。
 

Day1:動詞感覚編

初日、まず最初にお伝えさせていただいたのが
「英語感覚の掴み方」
です。
 
英語感覚について、説明をしてくれる
書籍や先生は、最近とても増えました。
 
しかし、感覚はあくまでも「体感覚」的な
ものであって「説明」できるものでは
ありません。
 
そこを勘違いして教えたり、教わったり
してしまうと、英語感覚を掴むつもりで
結局は単なる暗記に陥ってしまっている
ケースが非常に多いんです!

 
個人的に、最近気になっている例が
「to不定詞は未来志向で
動名詞は過去志向」
なる説明です。
 
個人的には、そういう説明の仕方は
好きではありません。
(↓そうやって覚えてはいけません、という例として出しています)

 
※そういう説明を聞いたことないという
人はぜひスルーしてください^^
 
例えば、
・remember/forget to (do)
・remember/forget ~ing

などの用法に関して、上記のような
説明がなされることがあるんです。
 
確かにto不定詞は、
「まだ行われていない行為」などに
使われるケースが多いことは事実です。
 
でも、そういうことは断言はできないし、
しちゃいけないんですよ。
 
教える人が断言した途端に、
学んでいる人は、その結論だけを
覚えようとします。
 
英語感覚について、説明しすぎてしまう
ことによって、生徒さんたちが感覚から
離れていってしまいます。
 
その結果、「ウノミー(暗記病)」や
「知識肥満症」などの英語病に侵され、
上達が阻害されてしまうのです。
 
・・・そういったことがありますので、
誰も教えてくれなかった、英語感覚の
つかみ方からスタートしました。
 
そして、
・lookとsee、watch
・have
・take
・give
・get

などの動詞、そして、
・目的語の有無(自動詞と他動詞)
の英語感覚について解説いたしました。
 

Day2:前置詞編

2日目のテーマは前置詞でした。
 
冒頭で参加者の方に解いていただいた
英作文問題が、全てを物語ると思いますので
シェアさせていただきます。
 
・サルも木から落ちる
・その戦士たちは、草を食べて生き延びた
・ニンジンはまだ収穫されていない
・シャンデリアが突然、天井から落下した
・あいつ、電話を一方的に切りやがった
・バスからつまみ出すぞ!
・イルカがボートに飛び込んだ

 
(※答えはここには書きません。
それを暗記したところで何の意味もないからです)
 
こういった英作文の問題が、自信をもって
英語で言える方はなかなか少ないと思います。
 
特に前置詞を「暗記」していたら無理です。
 
しっかりとイメージを掴み、そのイメージを
育てていくことが大切なんですよ。
 
・on
・off
・in
・at
・into
・out
・up

などの感覚を深く味わっていただき
ました。
 

Day3:時制編

3日目のテーマは「時制」です。
 
「現在完了形」や「仮定法」がよく分からない、
という人は多いと思います。
 
しかし、そもそも多くの人が
「現在形」からよく分かっていないのです。
 
一体、現在形は何を意味しているのでしょうか?
 
また、「おまけ」として
I do like baseball.
について解説したのですが、それも
予想以上に好評でした。
 
こんなにシンプルな英文であっても
うまく理解できていない方がやはり
多いことが分かりました。
 
解説した項目は
・時制の4つの要素と3種類のモード
・能動態と受動態
・現在形
・過去形
・進行形
・未来表現
・to不定詞(vs 動名詞)
・現在完了形
・仮定法

などですね。
 
受講された方はよくお分かりいただけたと
思うのですが、全てがつながっているんです。
 
だから私としては、6時間かけて、まとめて
お伝えしたかったですし、英語感覚漬けに
なっていただきたかったんですよ。
(実際には8時間近くに延長させていただき
ましたが(汗))
 

受講された方のご感想

では、いただいたご感想の一部を
シェアさせていただきたいと思います。
 

onが思った以上に広いイメージを含有しているのに驚いた。
そういうものだと思っていたものが、実は結構(気づいていないだけで)たくさんあって、うのみにしていた部分がクリアになりました。
長々と単語を並べずに、前置詞だけでシンプルに表現できるのが目からウロコでした。
丸暗記ではただの足し算だが、動詞と前置詞の英語感覚が磨かれれば、掛け算で自分の表現したいことが増えていくと思った。

日本語と英語は異なる言語なので、無理に日本語に訳す必要がないというより、訳すのが難しい状況が多々あることを実感した。英語のままイメージをつかめると、言語化は難しくても、理解度は格段に上がると思った。
(M.Y.さま、男性、大学教員)

 

動詞のコアイメージがつかめると、動詞の味わいが大きく変わることが実感できた。
どういう動きがlookなのか、seeなのかをイメージした上で文章を読むと、「日本語の置き換え」で考えていた部分が、よりハッキリとした絵になり、言葉の持つ趣きを感じることができるようになった。
have、take、give、getなど、汎用性の高い単語の感覚を掴むことで、句動詞のイメージもつかみやすくなった。暗記では感じられない、言葉の鮮やかさを感じられるようになるキッカケを与えてもらいました。
(木内洋一さま、会社員)

 

目的語の有無の話は「すごい!」と思いました。
私はwalk a dog やwalk my bike の表現はもともと知っていましたが、この英文の意味は、例文を読んでもすぐに分かりませんでした。でも、ロイさんの解説を聞いて、その映像が頭に浮かびました。そういう体験が英語感覚を育てることになると思いました。
エンドフォーカスの概念は知りませんでした。事実と非事実という考え方は、初めて聞き、納得しました。時や条件を表すif節にもwillが使えるという話は感動的でした。
英語感覚は勿論大事ですが、暗記せざるを得ない部分もあるし、全部を感覚でつかんで暗記をなくすことは無理だと感じました。でも暗記を激減させることはできると感じました。
(竹川佳紀さま、会社員)

 

スペシャル講座を終えての所感

今回、英語感覚漬けになっていただくという
企画を思いついたわけですが、なかなか面白い
挑戦だったと自分でも思います。
 
私自身、大学生の時に極力「英語漬け」の生活を
していましたし、英語感覚を学んでからは、
常にそれを気にして英語を味わうようにしていました。
 
そういう「濃い時間」が、上達のためには
とても大切だと思うのです。
 
ですから、ご参加いただいた方々には、
よい学びにも、よいキッカケにもなったのでは
ないかと思っています。
 
ただ、今回の特別講座は、方向性はあくまでも
「漬け」でした。
 
世の中は断片的な解説ばかりですから、
まとまった形である程度体系的に、
そして感覚的につかむことができる機会は
もちろん他にない、貴重なものだったと思います。
 
しかし、今回の講座の限界として、
「感じていただく」というインプットで
終わらざるを得ませんでした。
 
英語感覚の種を植えて、芽を出す程度の
水をあげるところまでしかできておりません。
 
ですからこの先、その感覚を伸ばしていけるか
どうかは参加者の方それぞれにかかっています。
 
そのあたりもフォローできるような形の
連続講座のようなものが作れたら、
もっと多くの方にお役に立てるものに
なるかなと思っております。
 
構築するのには少し時間がかかるかも
しれませんが、ぜひ気長な感じで、
楽しみにお待ちいただけたらと思います。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。