英語で広がる世界はあなたの想像以上
「英語ができれば世界が広がる」と、多くの人が言います。例えば
- インターネット上の情報の9割は英語
- 海外でもどこでも、世界の好きなところに行ける
- いろんな国の人と友達になれる
それは確かにその通りです。日本の人口は、約1億2千万人。それに対して世界の人口は70億人。
もちろん、みんなが英語を話すわけではありません。
英語がある程度通じる人は、実際には20億人前後かもしれません。
それでも、コミュニケーションが取れる人が圧倒的に増える。言葉の通じる土地が圧倒的に増える。それは事実でしょう。
実際に英語を極めるために、リスニング教材や英会話教室で基礎英語を学び、中級者まで進むとTOEICなど様々な資格を受験する方も多いかと思います。しかし・・・英語によって広がる「世界」というものを、そんな表面的な意味で捉えて欲しくない――。個人的にはそう思うのです。
言葉ができたら本当にやるのか?
「英語が話せたら、世界中の誰とでも友達になれる」と言われますが、あなたは既に日本語が話せるわけです。じゃあ、日本人の誰とでも友達になろうと思いますか?
英語ができたら海外へ旅行に行くって、その前に日本をどれだけ旅しましたか?
日本だったら津々浦々、既にどこでも行き放題なのに行かない人が多いのです。
つまり、英会話ができたら「誰でも話せる」とか「どこへでも行ける」というのは、夢物語なんです。そのことに気づかせてくれるのが、英語なんですよ。
英語は、あなたの目を覚ましてくれる
言葉というのは、コミュニケーションのツールに過ぎません。
「日本人同士」を考えてみれば、明らかなことですが、言葉がしゃべれるだけでは友達にはなれません。
友達になりたくない人、興味が持てない人、なんか嫌いな人、恐くて近寄りたくない人・・・そういう人は世の中にいっぱいいますよね。
必要なのは、友達になりたいと思ってもらえる「何か」。
人から一目置かれたり、面白いと思ってもらえたり、尊敬されたりするだけの「中身」であったり、「人間性」であったり。
結局そういったものを磨かないといけないのです。英語がしゃべれるだけでは、ただの「おのぼりさん」にしかなれません。
私はコミュニケーション能力が低かった
私自身、英語を学んで気づかされたことがあります。それは、自分自身の「コミュニケーション能力の低さ」。
大勢の会話に入れない。友達がうまく作れない。人前でしゃべれない・・・。
今でこそ、数百人の前で講演をしたり、ラジオでしゃべったりもできるようになりました。
言葉を使って、人に伝える仕事ができるようになりました。
でもそれは全て、英語を学ぶプロセスを通じて、「言葉」や、「伝える」という行為と向き合うことをしたからです。
私が日本語のスキルやコミュニケーションスキルをUPさせられたのは、英語を学んだおかげなのです。日本に住み、日本人に囲まれ、日本語だけで生活していたならば、身につけることも、いやそもそも、こういうことに気づくことさえできなかったかもしれません。
英語は新たな「ものさし」をくれる
海外に旅行したり、特に海外に住んだりすると、日本の良さがよく見えるようになる、と言われます。
何かを理解するためには比較対象が必要なんです。日本しか知らない人は、日本のことをよく分かりません。
日本語しか知らない人は、しゃべることはできても、日本語についてはよく知らないままなのです。
それは、喩えるなら、ものさしを1本しか持っていない状態だと言えます。
それ以外のものさしを知らないと、自分がどんなものさしを持っているかも気づけないのです。
英語という言語は、新たな「ものさし」を与えてくれます。言語という意味では、「英語」に触れることで、「日本語」がよく見えるようになるでしょう。英会話を通じて出会う人たちからは、いろんな「文化」や「考え方」が学べるでしょう。
また、日本語に訳されない様々な「情報」が入ってきますし、様々な「常識」に出会えます。そういった、いろいろな「ものさし」が、英語を通じて手に入ることになるのです。
新たな地平が開ける
違う言い方をするなら、新しいたくさんの「視点(perspective)」が手に入るということ。
行ける土地や、話せる人が増えるというのはもちろんですが、それよりも大事なのは、「世界の見え方が確実に変わる」ということ。
今まで知っていると思っていた世界が、本当は知らなかった…ということが分かるかもしれません。
今までは気づかなかった「新しい可能性」が見えてくるかもしれません。あなたが今まで生きてきた「常識」は、日本という狭い世界の、さらにごく一部での交流を通じて育まれてきました。
英語ができるようになるためには、その様々な「常識」を手離さざるを得ません。
言葉の例でいえば、日本語とは正反対の語順、つまり、逆に情報を伝えていくという英語的な考え方を受け入れる必要があります。文化的には、例えば「今年もよろしく」、「おまかせ」のような以心伝心が通じません。
こんなのはホンの一例であり、いずれにせよ、今まで「常識」だと思っていたことが通じません。
新たな地平が、あなたの目の前に開けるのです。
その意味で、英語は単なる「コミュニケーションツール」ではないと私は思っています。
自分を大きく成長させ、世界を広げてくれる「成長ツール」なのではないでしょうか。