前置詞をつけ忘れないための2つのポイント

 

...前置詞をつけ忘れないための2つのポイント


Q.英会話トレーニング教材「Just In Case」を使って
英作文のトレーニングをしていますが、前置詞が抜けてしまったり、
間違えてしまうことがよくあります。
どうしたらよろしいでしょうか?

いいご質問をありがとうございます。

まず安心していただきたいのは、コミュニケーションとして考えると
前置詞が抜けたり、ちょっとくらい違ったりしても、間違いなく通じます。

ですから、ここに深刻になる必要はない、ということを
最初に押さえておいて下さい。

 

その上で・・・

英語の構造をきちんとつかみ、感覚を理解する上で
「前置詞」は欠かすことのできない要素です。

必要な前置詞をつけ忘れてしまうという場合には2つの
大きな原因が考えられます。

 

(1)
まず1つ目は「文の作り方に関する理解」の問題です。

英語に限らず、どんな言語でも、文を作る時には
名詞を並べて行きます。

I … sushi… a restaurant…New York.

ただし、これだとカタコトになってしまいますので
動詞と前置詞が必要になるのです。

I ate sushi at a restaurant in New York.

このように基本的には名詞1つずつを、動詞か前置詞がつなぎます。

例外として、名詞が2つ連続する場合が3パターンあります。

1つは「同格」と言われる場合で、
President Obama(オバマ大統領)
のような使い方です。

2つ目は名詞が形容詞的に使われる場合です。
swimming school
のように言う場合、swimming(水泳)は名詞ですが、形容詞的に
使われてschool(学校)を修飾しています。

そして3つ目がSVOO(第4文型)やSVOC(第5文型)です。
I gave him a book.<SVOO>
They appointed him manager.(彼をマネージャーに指名した)<SVOC>
そして、この3つ目のパターンでは使われる動詞が限られています。

結論としては、英文の中で名詞が2つ並ぶというのはあまりない
ことなのです。

必要な前置詞が抜けると、名詞が2つ並んでしまったりします。
前置詞をつけ忘れてしまいやすい方は、そうなっていないか
ぜひチェックしてみて下さい。

 

(2)
そして2つ目は他動詞と自動詞の区別です。

日本語で言う「他動詞」「自動詞」は、英語のそれとは違います。
ここがごっちゃになっている方が少なくありません。

日本語の「自動詞」は「自分がする」という意味です(例:上がる)。
そして「他動詞」は「他に働きかける」ものです(例:上げる)。

自動詞は「アル」、他動詞は「エル」という音を持つ傾向があります。

 

それに対して、英語での他動詞とは「直接の対象(目的語)を持つ」、
もしくは「目的語に影響を与える」ことを表します。

自動詞は逆に「対象/影響がない」ことを表しますが、
ただ、英語ではそもそも「自動詞」や「他動詞」が存在するわけではありません。

1つの動詞が「自動詞にも他動詞にもなる」場合がほとんどなのです。

『頑張らない英文法』でも出しているwalkを例をご紹介しましょう。

I walk in the park.
このように言えばwalkは自動詞です。
意味はもちろん「歩く」ですし、「対象」も「影響」もありません。

では、「対象」や「影響」があるとはどういうことか?

例えば cut the cake といえば「ケーキを切る」ですよね。
cut(鋭利なものでスパッと切ること)の対象がthe cakeであり、
「切られる(分割される)」という影響が及びます。

I had to walk the bike.
のように言うとwalk(歩く)という動作の影響がthe bike(自転車)
にありますから、自転車は結果として動く……そこから
「押して歩く」という意味になるのです。

I walked my dog this morning.
これはwalkの影響がthe dogに及びます。
結果として「犬が歩く」、つまり「犬の散歩をする」という
意味になります。

I walked with my dog…
のように、日本人的な感覚ではwithをつけたくなって
しまいますが、そうすると「一緒」ならよいことになります。

つまり、犬を抱っこして歩いてもwalk with my dogなのです。

walk my dogのように「他動詞」として使った時に初めて
「犬を散歩する」という意味(だけ)になるのです。

 

さて、説明がちょっと長くなりましたが、
前置詞が抜けてしまうということは、
上記のような、前置詞の有無に関する感覚をそもそも知らない
場合もあるでしょうし、具体的な動詞の意味や使い方が
感覚的に理解できていないのかもしれませんね。

例えば
I stayed a business hotel…
のように前置詞のatを抜かしてしまったとします。

これだとstayの影響がホテルに届いているという意味に
なってしまう……と感覚的に理解できれば、変だという
ことが無意識に判断できるんです。

また、stayの意味が「ずっといる」ことだと分かっていれば
なおさら「影響」という感じがしないはずです。

(もちろん、常に前置詞がついていることを経験していれば
「そうは言わない」という判断も可能ですが、それは感覚が
理解できているのとはまた別の話ですね)

 

ということで、

>前置詞が抜けてしまったり、
>間違えてしまうことがよくあります。
>どうしたらよろしいでしょうか?

というご質問への答えは・・・

まずは上記の1と2をしっかりと理解して、
ご自身で作った英文を見なおしてみて下さい。

それにより、前置詞が抜けることはずっと減ると
思います。

あとは前置詞を正しく選べるように、
前置詞の感覚について調べてみて下さい。
『頑張らない英文法』でも少し解説しています)


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。