AI(人工知能)と日本の未来(人間の未来)

 

...AI(人工知能)と日本の未来(人間の未来)


こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
昨日は、僕が参加している「ウェブ心理塾」の勉強会で
AI(人工知能)やVR(仮想現実)についての
お話を聞いてきました。
 
「AI(人工知能)×VR(仮想現実)の衝撃!
~第4次産業革命からシンギュラリティまで~」
というタイトルのセミナー。
 
講師は雑賀 美明(さいが よしあき)さん。
 
セミナータイトルと同じ名前の書籍
出していらっしゃいます。
 

 
さて、セミナーの中では、これから起こる大変化と、
既に起こっていることについて話していただきました。
 
例えば
・AI(人工知能)は男女の違いをどう判定するのか?
・AI(人工知能)やVR(仮想現実)の歴史
・AR(拡張現実)とSR(代替現実)とMR(複合現実)
・Deep Learning(深層学習)とは
・トッププロ棋士に勝利した「アルファ碁」
・それよりも圧倒的にすごい最新の「アルファ碁ゼロ」
・第4次産業革命(Society5.0)
・プレ・シンギュラリティとシンギュラリティ
・AGI(Artificial General Intelligence)
・ASI(Artificial Super Intelligence)

などなど。
 
そして、VRやAR、MRなどの体験もさせていただきました。
(冒頭のアイキャッチ画像)
 
AIやVRの歴史や、様々なキーワード、
AIの現状などについて、いろいろと学べて、
非常にためになりました。
 

AI(人工知能)のせいで、仕事がなくなる?

このことは、いろんなところで言われます。
 
これから10年後には、いまある職業のうち、
いろんな仕事が機械に奪われる……と。
 
今回思ったのは、もっともっと違う捉え方が
できるのだな、ということです。
 
現在、仮想通貨が世の中の大きな話題になって
います。
 
儲かるだの、詐欺だの、不安定だの、
いろんな側面がありますが、確実に言えることは
「時価総額」がものすごいということ。
 
日本円の時価総額は、93兆円(世界4位)。
1位のアメリカドルは150兆円です。
 
そして、仮想通貨全体の時価総額はもうすぐ
日本円も、アメリカドルも超えます。
 
それはつまり、今までに存在しなかった
大きな「価値」が、生まれているということ。
 
今までとは、価値観が大きく変わることで、
要らなくなる仕事はたくさん出てくること
でしょう。
 
しかし、それ以上に大きな価値が「新たに」
生まれるんですよ。
 
喩えるならば、新しい価値観をもった
アメリカよりも大きな“国”が生まれて、
誰でもそこで働くことができるんです。
 
ただ、そこで働くためには、
過去の常識に縛られていてはダメ。
 
大きな変化に対応できる柔軟性と、
おそらく知性が必要となるでしょう。
 
でも、まずはそんな“国”が生まれつつ
あることを知らないといけませんよね。
 
世界では、開発競争が行なわれています。
 

いろいろと学んだ感想

今回のセミナーの参加者たちも
それぞれ、いろんなことを感じたでしょう。
 
純粋に「面白い」とか、
仮想通貨を買おう、とか、
AIやVRをビジネスに活用しよう、とか。
 
でも、私ロイが思ったことは、
そういったこととは全く違います。
 
ここからは、教育者として、私が
感じたことを書き連ねたいと思います。
 
こういうことを感じて、語っている人は
まだあまりいないんじゃないかと思いますので。
 

本当の「自由」が手に入りやすい時代

株式だとIPO(株式公開)がありますが、
仮想通貨だとICO(Initial Coin Offering)
というものがあるそうです。
 
また、「億り人(おくりびと)」って言葉を
ご存知でしょうか?
 
「投資で資産1億円を達成した人」のことを
言うようですが、仮想通貨の誕生により、
20~30代の若者で、数百億円の資産を
持つ人が激増しているそうです。
 
講師の雑賀さんも、そういう人を100人以上
(だったかな?)知っているとおっしゃって
いました。
 
今までの時代は「汗水たらして稼ぐ」
という価値観でした。
 
ですがこれからは、もっと違う稼ぎ方が
できる世の中になるのでしょう。
 
自由には、経済と時間と精神の3つが
あります。
 
3つとも、ある程度は連動しますが、
経済的な自由(お金の自由)は、
3つの中で一番得るのが難しかった
のではないかと思います。
 
しかし、バーチャルな世界では、
お金も“バーチャル”に近い感じで稼ぐ
こともできるようになっていくんでしょう。
 
(※それが良いか悪いか、そしてやるか
やらないかは、各人が判断すればよいこと
だと思います。僕個人は、他者に貢献する
ことで稼ぎたいので、仮想通貨関係の投資
には興味がありません)
 

本当に「バーチャル」にも生きられる

そもそも、我々の「脳」って、
バーチャルなんですよ。
 
夢と現実の区別は、脳には付けられませんし、
我々がそれを区別できているのは、
「体感覚」と「記憶」のおかげです。
 
そして、我々の過去の「記憶」では、
「バーチャルには生きられない」と
長年の間、刷り込まれてきたのです。
 
汗水たらして、地に足をつけて、
働かないとダメだよと教わってきたのです。
 
だから我々の多くは、「脳」がそもそも
バーチャルだということを忘れ、
狭い「現実」(という想像)にしばられて生きています。
 
でも、これからは「バーチャルな世界」
でも生きられるようになります。
 
なお、ここで言う「バーチャル」というのは
2次元で生きる、という意味ではないです。
 
2次元の世界は、レベルを下げたVRに
過ぎません。
 
ここで言っている「バーチャルな世界」とは、
現実があり、現実にバーチャルを加える
AR(拡張現実)があり、バーチャルな
VR(仮想現実)があり、両方を複合させた
MR(複合現実)があるのです。
 
現実とバーチャルが入り乱れて、
さらに新たな現実を生むんですよ。
 
それはつまり、脳が想像するものが
今まで以上に現実になる世界が到来する
ということです。
 
今までは、想像上の物語は、
映画や小説、ゲームなどにするしか
なかったのが、「現実+α」という形で
実現できるようになる、というイメージです。
 
それが何を意味するかというと、
我々の思っていることが、今まで以上に
実現してしまうということ。
 
「この世界は不自由だ」と思う人は
まさに不自由に生きてしまう。
 
「この世界は不幸だ」と思う人は
望み通りに不幸になってしまう。
 
もちろん、今までもそうだったんですが(笑)
今まではそれが現実になるまでに、それなりに
時間がかかりました。
 
その時間が、今まで以上にかからなくなる。
 
特に、シンギュラリティ(技術的特異点)
に到達してしまった後は……。
 

「答えのない問い」が大事

雑賀さんが、非常に分かりやすい分類を
してくださいました。
 
「知能」と「知性」は違う、と。
 
AI(Artificial Intelligence)というのは
「人工知能」であって「知性」ではない。
 
ここで言う「知能」とは、
「答えのある問題」に答えが出せること。
 
それに対して「知性」とは、
「答えのない問題」を扱えること。
 
さて、先日、こんな新聞記事を読んで
愕然としたことを思い出しました。
 

 
見出しだけを書くと
 
『プログラミング 小学校で2年後 必修化』
『発想、思考…「生きる力」養成』

 
申し訳ないですけど、笑っちゃいました。
そういう問題じゃないんですよ。
 
そもそもの問題は何かと言うと、
日本では、小学校から高校までの12年間
「答えを出す」教育が行われています。
 
大学に行かない限り、「答えのない」
ことを考える教育をしていないのです。
 
つまり、いま行なっている教育を
根本から変えない限り、発想力も
思考力も、生きる力も養成できないんです。
 
答えがある教育の中に、発想力なんて
存在しませんから。
(文科省がつくる学習指導要領は
もしかしたら違うことを目指しているのかも
しれませんが、答えのある教育に終始して
しまっているのが現状です)
 
そして、日本人が必死になって小中高で
学んでいる、答えのある問題は、
コンピュータが一瞬で解いてしまいます。
 
つまり、今の日本の教育が育てている力は
全く役に立たなくなるのです。
 
今までも、役に立たないということは
いろいろと言われていましたが、
「仕事がなくなる」という形でそれが
顕著になり、無視できなくなります。
 
「知性」をいかに育て、伸ばしていくか。
そこを本気で考えない限り、未来は暗いです。
 
あと10年ほど(2029年頃)で
プレ・シンギュラリティに到達します。
 
要するに、人間と同じくらいの「知能」
(知性ではないですよ)
を持つAIが生まれると予測されています。
 
子どもの教育で言うならば…
 
それまでに、教育というものを本気で考え、
本気で変えられるか?
 
既に教育を受け終わった大人であれば…
 
各人が答えのある世界、答えを与えられる
世界から抜け出せるか?
 
そして、問いを投げかけ続けられるか?
与えられる人から、与える人になれるか?
 
・・・といったことが大事なのです。
タイムリミットは約10年……。
 


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。