東京オリンピックに向けての英語の勉強における「落とし穴」とは?

 

...東京オリンピックに向けての英語の勉強における「落とし穴」とは?


こんにちは、イングリッシュ・ドクターの西澤 ロイです。
 
東京オリンピックの開催まで、
あと1,000日を切りましたね。
 
ボランティアとして英語でガイドを
したい人も多いでしょうし、
接客を英語でできるようになりたい
飲食店スタッフの方も多いでしょう。
 

従来の勉強法では「落とし穴」にはまりやすい

特に、英語に対する苦手意識のある方や、
英語学習に長いブランクのある方が
陥りやすい「落とし穴」があります
 
この落とし穴にはぜひ気を付けて
いただきたいので、この記事を
書いています。
 
なぜなら、従来の、
「常識的な英語の学び方」
をすると、高い確率で、その落とし穴に
ハマってしまいやすいからです。
 
この落とし穴にハマってしまうと、
・英語学習が大変になりやすい
・なかなか覚えられない
・覚えても役に立ちづらい

という三重苦のような状況になりかねません。
 
せっかく、やる気があって英語を学ぼうと、
そして、東京オリンピックの時に
お役に立とうとされているのですから、
 
ぜひとも、使える英語力をしっかりと
身につけていただきたいのです。
 
「落とし穴」にハマってしまわない
ためのポイントをお伝えします。
 

従来の英語の学び方

書店に行くと手に入る、従来の
英会話本/接客本は大体、
以下のような感じでしょう。
 
(『もう困らない! 「英語で接客」ができる本』リサ・ヴォート著(大和書房)より引用)

 
だいたい、上のような感じで、
「使える英語表現」が書いてあり、
「日本語訳」がついています。
 
また、以下のような、やり取りが
会話例として載っているケースも
多いでしょう。
 
(『接客の英会話』菅谷とも子著(Gakken)より引用

 
なお、上記のような本がダメだと
言いたいわけでは全くありません。
 
英語が苦手な方、初心者だという方には
向いていない、
という話なのです。
 

「落とし穴」の正体は・・・

一体、何が問題かと言いますと、
「英語が暗記科目」
になってしまう、ということ。
 
上のような本を読んだ方は、
フレーズをたくさん暗記することに
なるでしょう。
 
また、会話例に従って、ロールプレイ的な
練習をする人もいることでしょう。
 
でも、問うべき質問はこれです。
 
・そんなにたくさんの文を丸暗記できますか?

・最後までやる気が続きますか?

・せっかく覚えても、忘れてしまいませんか?

・例のような会話になるとは限りませんが、
 イレギュラーな場面に対応できると思いますか?

 
ここで「大丈夫」だと思えるのは、きっと
英語が好きだったり、得意だったりする人だけ――。

 
英語への苦手意識があったり、つまずいた経験が
ある人は、考え方を根本的に変える必要が
ある、というのがイングリッシュ・ドクターと
しての私の考えです。
 

丸暗記がオススメできない理由

英語の先生の中には、暗記も必要だという人が
多いでしょう。
 
もちろん私も「暗記は、時には必要」だとは
思います。
 
しかし、あくまでも「時には」であって、
基本的に丸暗記は要らないし、してはいけない

というのが私の考えです。
 
なぜなら、暗記というのは、
「最後の切り札」
であるべきだからです。
 
意味が分からず、どうやっても理解できない
時に、仕方なく行なうものが丸暗記のはずでは
ないでしょうか?
 
そんな最後の切り札を、英語学習になると
疑いもせずに最初から切り続けている人が
非常に多いんです。

 
だから、英語がなかなかできるように
ならないし、挫折しやすいんです。
 

あなたは既に中学英語を知っている

まずは根本的なアプローチとして、
「新しい知識を求めてはダメ」
だと心得てください。
 
なぜなら、英語に関する知識は
既にたくさん持っているからです。
 
「もう忘れてしまったよ」と深く考えずに
言う人も多いですが、それは勘違いです。
 
私は、講座に参加してくれた方、
500人以上に、中学英語をどれだけ知っているか
チェックをしたことがあります。
 
中学で学ぶ100個の動詞について、知っているかを
チェックすると、ほとんどの方が9割以上を
ご存知なのです。
 
そして、英語学習者全員に知っておいて
いただきたいデータとして、
中学英語の約1,000単語で、日常会話の
8割がカバーできます。
 
「単語や表現を知らないから英語がしゃべれない」
と考える人が多いですが、
それは全くの勘違いだと断言できるのです。
 

英語が苦手な人のための学習法とは?

もちろん、中学英語を知っているにしても、
理解が正しくないこともありますが、少なくとも
「単語を知っている」
ことが重要なアドバンテージなのです。
 
ですから、英語が苦手な方に
私がオススメする英語学習法は
 
「カタカナから入る」
 
というアプローチです。
 
日本語にもは、たくさんのカタカナ語が
含まれています。
 
それを「入口」にして、英語を学ぶ
ことが大切なのです。
 
「知らない」という、ゼロをベースにして
丸暗記をするのではなく、
カタカナを入り口にして、既に知っている
知識をチューニング(調整)していくのです。

 
カタカナを「種」だと思ってください。
その種を伸ばし、育てていくようなイメージです。
 
逆に丸暗記というのは「植林」に当たりますが、
うまく根付かないで枯れてしまいやすいのです。
 
ですから、カタカナを入り口にして、
少しずつ英語の知識をチューニングし、
また、育てて(増やして)いってください。
 
(つづく)


  • この記事を書いた人

    イングリッシュ・ドクター 西澤ロイ

    イングリッシュ・ドクター(英語のやさしい“お医者”さん)。
    英語が上達しない原因となっている「英語病」をなおす専門家。
    TOEIC満点(990点)、英検は4級。獨協大学英語学科を卒業。言語学を専攻。

    著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー21)など、計11冊で累計17万部を突破(書籍の一覧はこちら
    日本人が「英語ができない時代」を終わらせることを目指して日々活動中。